ドル建てステーブルコインUSDCのドル・ペッグが外れる一連の騒動の最中、USDCをUSDTに変えようとして200万ドル以上の大金を損したユーザーが話題になっている。
ドルと1対1の比率でペッグされているUSDCは11日、一時0.88ドルまで下落。手持ちのUSDCを他のステーブルコインに変えてリスクヘッジしようとするユーザーが急増した。
そんな中あるユーザーが200万ドル相当のUSDCをUSDTに交換しようとDEX上で注文をだしたが、戻ってきたのはなんと0.05USDT(ドル)だったというのだ。
ブロックチェーンを解析してみると、このユーザーは分散型金融プラットフォーム上で三つの異なるステーブルコインをステーキングしたときに得られる3CRV(DAI/USDC/USDT)というトークンを、カイバースワップというDEXのアグリゲーションルーター使って大量に売却しようとしたようだ。慌てていたのか、許容できるスリッページを設定し忘れたようだ。本来なら6%程度のスリッページで済む取引である。
そこをMEVボットに付け込まれて204万ドルを取られてしまったわけだ。
人為的ミスで資金を失ってしまう恐ろしい例だ。ユーザーにはくれぐれも注意して頂きたい。
ちなみに今回の資金損失事件について、Kyber Networkは当該ユーザーの資金回収に向けて対応中だ。