米ドルと1対1で連動する(ドルペッグ)ステーブルコインの時価総額が史上最高額を記録し、40億ドル(約4410億円)を超えた。仮想通貨調査会社のディア(Diar)がリポートを5月21日発表した。

ディアによると、ドルペッグのステーブルコインの時価総額が、約43億ドル(約47401億円)に突入した。また仮想通貨決済企業サークルと仮想通貨取引所コインベースが支援するステーブルコイン「USDC」が、4~5月にかけて130%の上昇を記録。4月に16億ドル(約1764億円)、5月中においては36億ドル(約3969億円)の上昇となったそうだ。

またディアは、2019年1月以降、USDCの取引高が435%増加した点を指摘した。

あらゆる資産のトークン化を目指すプラットフォーム「トラストトークン」のトゥルーUSD(TUSD)は、毎月の取引高の増加は鈍い一方で、絶対取引高はUSDCを上回ったという。4月の28億8000万ドル(約3088億円)に対し、5月は38億ドル(約4191億円)を記録した。

(USDTの取引高(2015-2019年) 出典: 仮想通貨調査会社ディア(Diar))

ただしディアは、各社の好調な業績にかかわらず、物議をかもしているステーブルコイン「テザー(USDT)」が依然市場トップシェアに位置していると指摘。2019年の売上高は、すでに2018年全体より2億ドル(約221億円)高い状態となっており、1兆3000億ドル(約143兆3231億円)を超えている。

またディアは、取引所以外では、ステーブルコインのユースケース(利用事例)の広がりに時間がかかっている点を挙げた。USDCは2019年の開始時と比較して、何らかの取引を行っているアクティブなアドレスが540%増加となり、TUSDも同様の成長を見せているものの、両コインの絶対最大アドレス(absolute maximum address)は1日当たり5500に制限されていると指摘した。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版