米国議会 超党派で仮想通貨規制法案検討

 米国議会が仮想通貨規制のための新たな法案づくりを超党派で検討していることが分かった。ロイターが報じた

 米国には現在、仮想通貨を監督する単体の組織は無い。各州や証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会(CFTC)、財務省、連邦準備制度理事会といった組織が断片的に業務を担っているかたちだ。

 SECとCFTCは今月6日に公聴会に証人として参加し、仮想通貨やブロックチェーン技術、新規仮想通貨公開(ICO)において果たすべき役割について意見を述べた。全般的な結論としては、両委員会が財務省等と協力して規制の枠組みを作り、ICOには厳格な姿勢で、ブロックチェーンやデジタル台帳技術には寛大な姿勢で臨むというものだった。公聴会では「市場操作や詐欺行為から仮想通貨を保護するための規制も必要」という意見も出された。

 上院銀行委員会に所属する共和党のマイク・ラウンズ議員は、仮想通貨人気の高まりにより、規制の議論に参加せざるを得なくなった。「半年前はこのような爆発的高まりは見られなかった。しかし市場は一変した」。

 ラウンズ氏は「規制の枠組みが必要なのは論を待たない」が、規制の中での仮想通貨の扱いについては商品と証券の双方の可能性がある、とロイターに語っている。

 仮想通貨やICOを証券として規制すべきかについては世界的な議論となっており、具体的な規制を既に打ち出している国もある。スイスの金融当局は17日、ICOやトークンへの証券法の適用について規定したガイドラインを発表した。米国にはそのようなガイドラインはまだ存在しない。

混在するメッセージ

 今月16日には、ホワイトハウスのサイバーセキュリティコーディネーターを努めるロブ・ジョイス大統領特別顧問がCNBCに対し、仮想通貨の全般的な規制は「近いうちには」行われないと述べた。規制について「調査し、理解を深めている」段階だという。

 これに対し、仮想通貨にSECの投資家保護規定を適用する法案を議会で検討し始めた、というロイターの報道もある。仮想通貨市場の着実な成長に背中を押された格好だ。

 資本市場に関する下院金融サービス小委員会(この件で間もなく公聴会を開催する予定)の議長を努める共和党のビル・ハイゼンガ下院議員は、「この問題はSECが適切に進めている」とロイターに語っている。

 下院金融サービス委員会の上級メンバーである民主党のキャロリン・マロニー氏は、「SECが仮想通貨の監督業務を担うべき」というハイゼンガ議長の意見に同意し、「これらの仮想通貨には何の裏付けも無いということを多くの人が理解していない」とロイターに語っている。

 共和党のデイブ・ブラット氏(下院の「フリーダム・コーカス」の一員)のような「自由市場」主義者でさえも、規制法案に賛成する構えを見せている。

 「仮想通貨は経済全体を揺るがしかねない。そんな方向の議論になるだろう」。

 このように規制を求める声が上がり始めた一方で、ブロックチェーンによる革命的な技術革新は擁護していくようだ。上院銀行委員会のメンバーを努める民主党のクリス・ヴァン・ホーレン上院議員は、ロイターに以下のように語っている。

 「イノベーションを潰さずに、消費者を保護する方向でルールを設定していくのが目標だ」。