共和党出身の元米議会議員ジョージ・ネザーカット氏が、米政府は米国の仮想通貨イノベーションを守らなければいけないと主張し、SEC(米証券取引委員会)など規制機関のアプローチに苦言を呈した。14日付のThe Hillが報じた。

1995年から10年間米議員として活躍したネザーカット氏は、国務省とSECを比較し、次のように述べた。

「国務省の外交官はアメリカのイノベーションのために交渉を続ける一方、SECのような規制機関は仮想通貨に関して進捗が遅い」

ネザーカット氏は、国務省は米国の知的財産権を守るために行動しているが、SECは「トークンが証券かどうか」に関して米国ビジネスに「不明瞭な状況」を生み出していると指摘。次のように続けた。

「法的観点から見て、専門家は、証券規制が単純に仮想通貨に当てはまらないと結論づけた。政策担当者はこのアプローチを共有し、イノベーションを続けよう」

高まるSECへの批判の声

米国では議会や民間企業を中心に、SECへの批判が高まっている。

米仮想通貨決済企業サークルのジェレミー・アレールCEOは10日、SECからどのように仮想通貨分類するか具体的なガイダンスが出ていないことが、サークルにとっても障害となっている発言。いくら民間企業が証券、通貨、コモディティの線引きをしても、政府から正式な区分が出されなければ、それは法律的には無意味になるという見方を示した。

また、11日には、米議会下院のダーレン・ソト議員(民主党)が、ほとんどの仮想通貨はSEC(米証券取引委員会)によって規制されるべきでなく、CFTC(米商品先物取引委員会)が規制するべきだという見解を示した。先月末にはソト議員と共和党のウォーレン・デービッドソン議員が、デジタル資産を有価証券の対象外にする法案を下院に提出した。

SEC(米国証券取引委員会)とは、Securities and Exchange Commissionの略。米国証券取引委員会の略称として用いられる。この政府機関は1934年に連邦議会により創設され、現在では証券市場におけるあらゆる活動を管理及び規制する、中心的な組織になっている。透明性を生み出すというその使命を達成するため、SECは公開企業やその他の規制対象企業に対し、四半期報告書と年間報告書の提出を義務付けている。それらの報告書には、それぞれの期間における業務運営状況の詳細が説明されており、全て一般に公開されている。最近のSECの主要任務の1つが、仮想通貨市場とそれに関連する投資機関の調査である。これは、トークンという名目の下に有価証券を販売するといった、違法な行為を見つけ出すためである。

仮想通貨用語集