対立する政治的立場の米上院議員2名が、エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用することによるリスクを軽減することを目的とした2022年の法案を再提出した。

議会の記録によれば、アイダホ州選出のジェームズ・リッシュ上院議員(共和党)とニュージャージー州選出のボブ・メネンデス上院議員(民主党)は、5月11日に「エルサルバドルでの仮想通貨の法定通貨としての採用に関する報告を求める法案」を提出した。この法案は、リッシュ議員が2022年2月に提出した「エルサルバドルにおける仮想通貨の説明責任法案」の2回目の試みだ。

ワシントン・エグザミナーの5月12日の報道によると、リッシュ議員は、仮想通貨を法定通貨として使用することに対抗する努力の一環として、この法案を提出したという。リッシュ氏は、これが「経済・金融の安定を弱体化し、悪意のあるアクターに力を与える恐れがある」と主張している。

ビットコイン(BTC)は、2021年9月以降、エルサルバドルで法定通貨であるコロンや米ドルと並んで受け入れられている。

この法案が可決されれば、米国の連邦機関に対して、エルサルバドルのサイバーセキュリティや金融の安定性の能力に関する報告が求められる。国際通貨基金(IMF)も2月、エルサルバドルがBTCを法定通貨とするリスクを考慮するよう中米諸国に警告した

2022年4月に上院で提出された同様の法案は、委員会を通過した。下院議員も対応法案を提出したが、議会記録によれば、法案は1年以上進展していない。

エルサルバドルのブケレ大統領は、前回法案が提出された際に、ツイッターで米国議員を非難し、「主権国家で独立した国家」に干渉しようとしていると主張した。「我々がここでやっていることを米国政府が恐れるとは、夢にも思わなかった」とブケレ氏はツイートした。ブケレ氏の下、同国は多くの親仮想通貨政策を採用しており、BTC担保付き債で資金を調達し、「ビットコインシティ」を建設する計画もある。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン