米国政府を代表する弁護士は、北朝鮮に仮想通貨(暗号資産)とブロックチェーンに関する知識を教えたとして、米国の制裁違反で逮捕されたイーサリアム研究者のバージル・グリフィス氏の告訴棄却に反対するメモを提出した。

グリフィス氏側は会議でのプレゼンテーションはインターネットで公開されているもののため「経済的な有用性」はなく、報酬ももらっていないことから政府の起訴は無効だと主張している

しかし、ニューヨーク南部地区裁判所で11月19日に提出された記録によると、10月22日にグリフィス氏の弁護士が提出した米国政府の起訴内容を棄却するための動議に関して検察官は「無駄である」と言及したという。

「単純な仮定で、グリフィス氏の立場の不条理さが分かる。グリフィス氏の論理では、政権の核兵器開発への欲求は経済的なものではなく、インターネット上で見つけられる情報であり報酬を受け取らない限り、(北朝鮮制裁規則では)米国人学者が北朝鮮に渡航し、北朝鮮の学者会議で核兵器の背景にある科学に関して説明することを許可しているというものだ。」と反論。政府はグリフィス氏が報酬を得ておらず、グリフィス氏が経済的な利益はないと主張したとしても、北朝鮮はプレゼンテーションから何らかの価値を導き出すと指摘した。

さらに、グリフィス氏が渡航前に友人に対し、仮想通貨の送金によって北朝鮮と韓国の間で取引を容易にすることを指摘し、これが制裁違反と知っていたことも問題視した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン