米下院議員のポール・ゴーサー議員(共和党)は、デジタル資産に関する法案「仮想通貨法 2020」の最新版を公表した。仮想通貨の分類と規制当局の管轄を整理している。

デジタル資産を3つに分類

ゴーサー議員の立法補佐官を務めるウィル・スチュシュルテ氏は、コインテレグラフに対して「法案は、米国の暗号資産に明快さだけでなく、正当性を提供することを目的としている」と語った。

ゴーサー議員の法案では、デジタル資産を「暗号コモディティ(crypto-commodity)」「暗号通貨(crypto-currency)」「暗号セキュリティ(crypto-security)」の3つのカテゴリーに分類。それぞれについて、商品先物取引委員会(CFTC)、財務省傘下の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)、証券取引委員会(SEC)が管轄すると整理している。

法案を見ると、ビットコインのようなデジタル資産は「暗号通貨」ではなく「暗号コモディティ」として分類しているようにみえる。「暗号通貨」については、「米国の通貨もしくは合成デリバティブの表現」としており、テザー(USDT)のようなステーブルコインを想定しているようにみえる。

「暗号セキュリティ」については「ブロックチェーンまたは分散型台帳にあるすべての債権、株式、およびデリバティブ商品」としている。

ブロックチェーンゲームなどに使われるノンファンジブル・トークン(NFT)については、法案の中で言及されていない。

12月の法案から変更点

今回の法案は昨年12月に報じられた法案の最新版だ。今回の法案では「分散型暗号化台帳」、「スマートコントラクト」といった言葉の定義が追加されている。

また昨年12月のバージョンに比べ、規制当局の責任について「唯一の」ではなく「主要な」と変更されている。 

業界関係者が法案作成に協力

ゴーサー議員は、典型的な議会の慣行に反して、共同提案者なしで単独で発表している。

ゴーサー議員の補佐官のスチュシュルテ氏は、コインテレグラフについて「我々は真剣なサポートを集めることを望んでいる」と語った。

ゴーサー議員のコミュニケーションディレクターを務めるベン・ゴールディ氏は次のように述べている。

「これはニッチな問題であるため、業界が必要とする明確さを確立するため、利害関係者や外部の専門家と協力した」

今回の法案の起草した業界関係者の1人は、ビットコイン投資家のエリック・フィンマン氏だ。フィンマン氏は、コインテレグラフに対してゴーサー議員のチームに協力したと語った。

フィンマン氏によれば、多くの参加者が法案について検討し、12月に発表された法案から複数の変更が行われたという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン