米国の証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会(CFTC)、そして検察当局は、投資家やユーザーを欺く役割を果たした可能性があるとして、元FTXエンジニアリング・ディレクターのニシャド・シン氏を調査しているという。

1月5日のブルームバーグの報道によると、米国当局は、取引所の破綻に関する捜査の一環として、FTXの元CEOであるサム・バンクマン-フリード氏の側近を調査しているようだ。バンクマン-フリード氏は、同氏に対するすべての刑事責任について無罪を主張しているが、アラメダ・リサーチの元CEOキャロライン・エリソン氏とFTXの共同設立者ゲイリー・ワン氏は12月に検察当局と司法取引を行い、同社の不正行為を認めている

FTXグループの犯罪行為や規制違反の疑いで、シン氏がどのような役割を果たしたかは不明だ。彼は、バンクマン-フリード氏やエリソン氏、ワン氏とともにチャットグループの一員であり、FTXとアラメダとの違法な関係を議論したとされている。

FTX事件を担当するニューヨーク南部地区連邦検事局は1月4日、行方不明のユーザー資金を「追跡・回収」し、FTX破綻を捜査するタスクフォースの結成を発表した

FTXとその幹部に対する訴訟の一部は、同社がユーザーや投資家の同意なしに、FTXの顧客資産を流用していたというものだ。司法取引の一環として、エリソン氏は、アラメダは2019年から2022年までFTXを通じて「借入枠」を利用することができたと認めている

FTXグループは、11月11日に破産を申請した。デラウェア州での同社の破産手続きも進行中で、次回の審問は1月11日に予定されている。破産裁判所の提出書類によると、アラメダ社はバンクマン・フリード社に10億ドル、シン社に5億4300万ドルを貸し付けていた