米国では現物ビットコイン上場投資信託(ETF)の導入以来、ビットコインの活動が記録的な水準に達している。しかし、チェイナリシスのレポートによれば、2024年において米国内のステーブルコイン採用は世界市場と比較して減速している。
レポートによれば、米国で認可されている取引所でのステーブルコイン取引の割合は、2023年の約50%から2024年には40%を下回るまで減少している。
一方で、米国以外のプラットフォームでのステーブルコイン取引の割合は2023年以降急増し、2024年には60%を超えたという。
Share of stablecoin inflows to US-regulated and non-US-regulated exchanges. Source: Chainalysis
チェイナリシスは、この変化が米国におけるステーブルコイン活動の急激な減少を示しているわけではなく、むしろ新興市場や米国外でのステーブルコインの役割が急速に拡大していることを反映していると強調している。
米ドル建て資産への需要が急増
世界的に米ドル建て資産への需要が高まっていることが、ステーブルコインのグローバルな利用増加の一因となっている。特に、安定した通貨へのアクセスが限られている国々では、米ドルに連動する資産が求められている。
米連邦準備制度理事会(FRB)の推定によれば、2022年末時点で約1兆ドル、つまり米ドル紙幣全体の約半数が米国外で保有されている。
Growth in stablecoin value received by US-regulated versus non-US-regulated exchanges. Source: Chainalysis
米国外でのステーブルコイン利用の増加は、より広範なトレンドを浮き彫りにしている。つまり、グローバル市場ではますます米ドルに連動したステーブルコインを価値の保存や安価な取引手段として注目している。
実際、テザーのパオロ・アルドイノCEOもステーブルコインの主な需要が米国ではなく、アルゼンチン、トルコ、ベトナムなどの発展途上国から来ているとコインテレグラフに語っている。
規制の不透明さが米国のステーブルコイン採用に影響
ステーブルコインやデジタル資産に関する規制の不透明さが、米国が他の経済圏に比べてステーブルコイン採用で遅れを取る要因の1つとなっている。
チェイナリシスによると、ステーブルコイン発行企業であるサークルは、米国における明確な仮想通貨規制の欠如を受け、ステーブルコインプロジェクトがより有利な規制環境を提供している欧州やアラブ首長国連邦(UAE)などの金融ハブに引き付けられていると指摘する。
Global crypto asset distribution as of June 2024. Source: Chainalysis
「米ドル参照型のステーブルコインに関する米国の規制枠組みの欠如は、米国の利益に対する脅威となっている」とサークルはレポート内で警告している。
チェイナリシスは、多くの国がステーブルコイン採用を促進する規制枠組みを整備する中で、米国の政策立案者に対する圧力が高まっていると指摘している。
仮想通貨取引所ビットゲット(Bitget) が入金&取引キャンペーンを開催!最大で5000USDT相当の先物ポジションクーポンとPS5を獲得可能【10月最新】