「仮想通貨は犯罪捜査を困難にしている」=国連薬物犯罪事務所のサイバー犯罪責任者

国連薬物犯罪事務所(UNODC)のサイバー犯罪プログラム局のニール・ウォルズ局長は、仮想通貨の存在が、サイバー犯罪やマネーロンダリング(資金洗浄)、テロ資金調達などの対策を著しく困難にしていると警告した。オーストラリアのABCが8月29日にウォルズ氏のインタビューを報じた

ウォルズ氏は、児童ポルノや人身売買といった犯罪をはじめ、仮想通貨が利用されている犯罪は一般に知られているよりはるかに広いと指摘。仮想通貨はプライバシーがより守られるため、犯罪を促進すると主張している。

組織犯罪やテロ組織なども仮想通貨を活用する例もあり、政策立案者は、仮想通貨の影響を考慮する必要があるとも主張している。

仮想通貨は犯罪者が使っている?

先月、米国のムニューシン財務長官は、ビットコインが不法活動に使われないように全力を尽くすと宣言。ビットコインが「スイスの番号がついた銀行口座」になることを止めると述べている。スイスの銀行口座は匿名性が高いことで知られている。

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一方で、英国のマン島にある仮想通貨取引所コインコーナーのダニー・スコットCEOは、犯罪者によるビットコインの利用は過去のものだと主張する。ビットコインの匿名性とは「神話」であり、ビットコインとは実際は擬似名義に過ぎないと指摘。すべての取引履歴がブロックチェーン上に永遠に記録されるため、ビットコインは「犯罪者にとって望ましくない通貨」と述べている。

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また、仮想通貨の不正取引調査を手がけるチェイナリシスは先日、仮想通貨ミキサー(ある仮想通貨と問題のない他の仮想通貨とを混合し、元の情報源にさかのぼることを困難にするサービス)が不正に盗まれた仮想通貨の主な送付先となっているが、ダークネット由来のものは2.7%だと指摘。仮想通貨ミキサーが扱う資金のわずか約8.1%が犯罪がらみの仮想通貨だとの調査結果を発表している

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版