ツイッターのようなSNSを使って仮想通貨を送金できる。

シンガポールの仮想通貨関連鍵の管理プラットフォーム「トーラス(Torus)」が、最新のアップデートによってツイッターやギットハブのアカウントを使った仮想通貨送金ができるようになったと発表した。利用者は、以前にトーラスの仮想通貨ウォレットを使ったことがなくてもSNSで送金できるようになるという。

トーラスは新たなアップデートを7日に発表。イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏やバイナンスのチャオ・ジャンポンCEO、テスラ創業者のイーロン・マスク氏のツイッターアカウントなどに、 0.01ETHを送りつけた。

Purported ETH transaction to Vitalik Buterin Twitter via Torus

(出典:Torus Twitter「トーラスを使ってヴィタリックのツイッターにETHを送金」)

新たなアップデートに対応するのは仮想通貨イーサ(ETH)。ツイッター、フェイスブック、グーグル、レディット、トゥイッチ、ディスコード、アップルID、リンクトイン、そしてLINEなどで送金が可能になるという。

トーラスとツイッターなどSNSアカウントとリンクさせるログインサービスには、Auth0が使われている。

トーラスは2018年設立の仮想通貨ウォレット関連企業。2019年12月にはグーグルやレディットでイーサの取引テストを行なった。

ビットコイン支持者のジャック・ドーシー氏がCEOを務めるツイッターと仮想通貨の連携には期待が高まっている。

今年1月、ツイッター社がツイートを使って利用者がチップ(投げ銭)できる機能の開発を検討しているとザ・インフォメーションが「決定に詳しい2人」の話として報じた。ただツイッター社はザ・インフォメーションに対して検討の事実を否定しているという。ビットコインなど仮想通貨への言及はなかった。

トーラスの取り組み

トーラスは昨年12月、Torus Walletユーザーは、仮想通貨イーサリアム(ETH)およびERC-20トークンを、同社顧客以外の任意のGmailアカウント・レディットID・Discord(ディスコード)IDにも送金できるようにした

さらに、日本の「マイクリプトヒーローズ」や「クリプトキティーズ(CryptoKitties)」などのキャラクター(ERC-721準拠のノンファンジブルトークン。NFT)の送受信も可能にしていた。

トーラスは「我々は、ウェブ2.0のメインストリームに代わるものとなることを願っている」と述べていた。

トーラス・ラボは2019年7月、投資企業マルチコイン・キャピタル・マネジメント、仮想通貨取引所バイナンスの投資部門バイナンス・ラボ、コインベース投資部門コインベース・ベンチャーから200万ドル(約2億2000万円)を調達している

Eメールで仮想通貨を送金する手法では、Bitcoin.comも最近新しいサービスを発表している

Bitcoin.comの創設者であるロジャー・バー氏は、ビットコイン(BTC)は手数料が高いためでは新サービスの利用は不可能だと指摘した。新サービスは、国をまたいだ送金に利用できるほかプライバシー保護機能もあるという。

バー氏は「どの国にいても関係ない。Eメールにアクセスできれば、ビットコインキャッシュを利用できる。そしてBitcoin.comは秘密鍵のコピーを持つということはありえない」と述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン