仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)の急上昇はブルトラップなのか、それとも本当に月へと向かう上昇が始まったのか?

アナリスト・トレーダーのアレッシオ・ラスターニ氏と、ウィンターミュート・トレーディング共同創設者であるヨアン・ターピン氏は、ビットコイン上昇の勢いが一時的なものではなく、推進力のあるものだとみている。

ビットコインの上昇は続くか?

ラスターニ氏はテクニカル分析、特にエリオット波動理論の信奉者だ。エリオット波動理論とは、3つもしくは5つの波のパターンに基づいてチャートを分析する手法だ。推進波と修正波とのパターンから相場のトレンドを予測する。

ラスターニ氏はこの手法を用いて、ビットコインの現在の上昇を分析している。

「エリオット波動の観点からは、この上昇は修正的ではない。それは実際には(上昇につながる)推進的なものだ。すでにこの上昇では5つの波がある。このことは、ビットコインがより長期的な強気相場にあることを示している」

一方、ターピン氏は、よりマクロンな観点からビットコイン相場にアプローチしている。同氏は、中央銀行による金融緩和、それに伴うインフレが進むことで、ビットコインがオルタナティブな資産としての役割を担っていくとみている。

「国がより多くの借金をするようになり、法定通貨の価値が下がっていくことは、オルタナティブな資産への関心をより高めることになるだろう。それはビットコインをより押し上げることを正当化することになる」

ビットコインは「1万ドル~1万5000ドルのレンジに」

またラスターニ氏は、ビットコインと株価との相関関係に着目している。3月以降、ビットコインと米株価指数S&P500との相関関係が明瞭になっていると指摘する。

株価が徐々に回復するに従い、ビットコインも上昇していくとみる。ラスターニ氏は2009年の事例を挙げ、統計データなどが最悪の時に株価が上昇を始めたと指摘。現在も2009年と同様の状況とみている。

「2020年末、遅くとも2021年には、株価市場は新しい最高値を記録するだろう。ビットコインも1万ドル以上になるだろう」と話す。

もちろんボラティリティが高く、反落や調整する局面もあるとしつつ、ビットコインが年末までには1万~1万5000ドルのレンジになっていると予測する。

注目するアルトコインは?

注目するアルトコインについても2人のアナリストが見解を示している。

ターピン氏は、イーサリアム(ETH)とEOSの2つを挙げた。

イーサリアムについては仮想通貨の世界の中でインフラとしての地位を確立しているとの評価だ。またEOSは、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)で巨額の資金調達を実現し、プロジェクトを推進している点を評価している。

ラスターニ氏はチャート分析から、モネロ(XMR)、ダッシュ(DASH)、ネオ(NEO)、チェーンリンク(LINK)の4通貨を挙げた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン