仮想通貨のスタートアップ企業、セントラテック社の共同創業者、レイモンド・トラパニ氏が20日、同社のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に関連する2500万ドル(約27億円)以上の証券詐欺、電子通信詐欺の疑いで逮捕された。米司法省が20日に発表した

 同社の他の2人の共同創業者、ソフラブ・シャルマ氏とロバート・ファルカシュ氏は、今月すでに同じ容疑で逮捕されている。今回逮捕されたレイモンド・トラパニ氏も、仮想通貨を法定通貨に交換できるデビットカード「セントラカード」の宣伝をしており、同カードはVISAやマスターカードの後援があると説明していた。

 米証券取引委員会(SEC)は、セントラ社と同クレジットカード2社との間には、実際の提携関係はないと報告している。

 司法省によれば、昨年秋に、別の詐欺ICOの発起人が逮捕された後、シャルマ氏はトラパニ氏とファルカシュ氏に対し、セントラ社とVISAとの契約に関する虚偽の情報を、同社のウェブサイトから全て削除するよう依頼した。

司法省のリリースで、ロバート・カザミ副連邦検事は次のように述べた。

「起訴内容の通り、レイモンド・トラパニ氏は他の共同創業者たちと共謀して、同社製品及び信頼できる金融機関との提携関係に関する、虚偽の主張で投資家を勧誘した。仮想通貨への投資は合法であるが、投資家を欺く嘘は違法である」

 セントラテック社は、ボクサーのフロイド・メイウェザーやDJキャレドといった有名人を使って宣伝を行っていた。昨年秋、SECは国民に対し、有名人によるICOの宣伝は、その広告出演で受け取る報酬が明らかにされていない場合、違法の可能性があると警告した