ステーブルコインのテザー(USDT)を発行するテザー社は、ミャンマー国軍に対抗して結成された民主派政権である国民統一政府(NUG)がUSDTを公式通貨として使用することを決定したことを称賛している。

ミャンマーのNUGは、ノーベル平和賞受賞者のアウン・サン・スーチー氏の支持者が運営する「影の政府」と呼ばれている。コインテレグラフが13日に報じたように、NUGは公式フェイスブックの投稿でテザーを公式通貨として発表した。NUG財務相は、USDTが切望されていた貿易と取引の効率性を提供すると主張した。

テザー社は公式ブログの投稿で、欧州連合に認められ、米国からも称賛を受けている政府であるNUGがとった決断を称賛した。

「USDTを公式通貨として認めることを選択したという事実は、米ドルの強さと、世界の市民に安全な避難所を提供する能力に対する賞賛だ。この瞬間の意義は、仮想通貨が金融安定性を提供する可能性をはるかに超えて、自国の政府や国の通貨に自信がない人たちのために、米ドルへの長年の信頼を指し示している」

NUGのUSDT採用は、テザー社の準備金をめぐる論争から、多くの人にとって驚きだった。しかし、取引の観点からは、USDTは依然として世界中の仮想通貨取引所における主要な選択肢の1つだ。

NUGは現在10億ドル規模の資金調達を行っており、USDTの採用は現在の軍事政権に対する措置として行われた。仮想通貨の使用は昨年5月にミャンマー中央銀行によって禁止されており、NUGのステーブルコインの採用は、これらのデジタル資産が金融市場を再構築するだけでなく、政治的なツールとしても機能していることを示している。