新規発行が続くステーブルコインのテザー(USDT)は仮想通貨(暗号資産)ビットコインの価格動向にどのように関係しているのだろうか。

仮想通貨データ分析を手がけるサンティメントでマーケティングディレクターを務めるブライアン・クインリバン氏は7日、コインテレグラフに対し、仮想通貨取引所が保有しているテザーの割合を知ることでビットコインの価格動向を予想できると明かした。

「テザーはコインベースのような取引所で現金化されているというわけではない。人々がテザーを使っていない時は、ほとんどの場合はビットコインに入れられている。何がすごいかというと、ビットコインの価格がテザーの量に反応して上下する数時間から数日前に、取引所のテザーのパーセンテージが変動することが多い。つまり、この指標を事前に監視しておくことで突然の変動を事前に察知することができるのだ」

クインリバン氏はこの相関関係はテザーが登場した数年後に始まっていることを指摘。現在ではテザーは価格が安定しているステーブルコインとして最も使われており、今後もこの相関関係は続くだろうと予想している。

クインリバン氏は過去1年間のチャートを見ると、9〜10ヶ月間で明確な逆相関が示されていると話した。

(出典:Santiment「ビットコイン価格と仮想通貨取引所のテザーの保有量の推移」)

サンティメントはこれまでにもビットコインとテザーの逆相関について指摘を繰り返している


DAIとETHにも相関

さらにテザーとビットコイン以外の仮想通貨にも面白い相関関係があることがわかっているという。

それが、DAIとイーサ(ETH)だ。

「仮想通貨取引所でのDAIの供給量は、しばしばイーサリアムの価格をリードしているように見えることがある。しかしこれはビットコインとテザーの関係に比べるとやや一貫性にかけるかもしれない。というのもETHの価格はビットコインの価格にも影響を受けるからだ」

クインリバン氏はテザー以外にも、ソーシャルメディア上で会話されているキーワードやトピックにも注目すべき点があると指摘。過去数カ月では新型コロナウイルスに関連した投資家心理の悪化によってビットコイン価格に影響したと話した。


翻訳・編集 コインテレグラフジャパン