ステーブルコイン発行元であるテザー・ホールディングスは、2023年第1四半期に銀行から45億ドル以上を引き出し、カウンターパーティリスクを「大幅に減少」させている。同社がBDOイタリアによる最新の証明について報告した

テザー(USDT)の時価総額は第1四半期に660億ドルから820億ドル以上に増加した。一方でテザーは銀行預金の90%以上を削減し、53億ドルから4億8100万ドルに減少させた。テザーは最近の銀行の破綻後に損失を被った競合他社に言及し、残存する銀行預金がいくつかの銀行に分散していると述べた。

同時に、テザーは米財務省短期証券を530億ドル以上、自社の準備金の64%まで引き上げた。他の資産と組み合わせると、USDTトークンは現在、85%が現金、現金同等物、及び「償還の処理に迅速に売却できる」短期預金でバックアップされている。これには、75億ドル以上のレポ取引が含まれる。さらに以下のように述べている:

「過去最高の利回りが収益を押し上げ、テザーの余剰準備金を増加させ、効果的にUSDTを過剰担保化している」

テザーは透明性へのコミットメントを示すため、今四半期の証明で初めて金(ゴールド)とビットコイン(BTC)の保有を明らかにした。

テザーは数ヶ月間、財務指標の改善に努めてきたが、成功を強調するために腐心してきた。同社は昨年6月に、自社の準備金内のコマーシャルペーパーを同月末までに200億ドルから84億ドルに減少させ、年末までにゼロにすることを発表した。その目標は成功裏に達成された

香港を拠点とするiFinexの子会社であるテザーは、その財務についてのネガティブな疑念や主張と戦ってきた。大手中国企業の中国恒大集団が債務j危機に陥ったとき、テザーがこの企業のコマーシャルペーパーに多額の投資をしているのではないかという懸念が浮上した。

テザーは2021年、自社の準備金に対する法定通貨の裏付けを偽装したとしてニューヨーク州検事総長の事務所から1850万ドルの罰金を科された。この和解には、ステーブルコイン発行者からのより大きな財務透明性も求められた。

今月、米証券取引委員会の元取締部長のジョン・リード・スターク氏は、テザーの最高技術責任者パオロ・アルドイノ氏との「豊かで礼儀正しい意見交換」の中で、テザーを「巨大な砂上の楼閣」だと言った

スターク氏はテザーが2021年に「数ヵ月、数年ではなく」完全な監査を委託すると約束したことを指摘し、それがまだ実現していないと主張した。今四半期に発表された証明のようなものは、通常はより狭く焦点を絞っており、会社の財務状況についての外部からの意見を提供していないというのがスターク氏の見解だ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン