伊会計事務所のBDOイタリアによると、テザー(USDT)の発行機関であるテザー社は、ビットコインが同社の準備資産の約2%、150億ドル分を占めているという。

報告書には貴金属も項目として新たに記載され、準備資産の約4%にあたる約340億ドル分を保有していることが明らかになった。

テザー社はこの報告に伴い、ビットコインと貴金属の保有状況を明らかにすることで、USDTの保有者に対する透明性を高めると発表した。「連結準備金報告書(CRR)は、テザー社の準備資産報告への透明性を高めるため、初めて追加のカテゴリーを提供した。金現物、オーバーナイトリポ(短期金融市場での貸し借り)、企業債、ビットコインの保有が別々に報告された」という。

また、同社は第1四半期に約148億ドルの利益を上げ、トークンの流通量を20%増加させたとも発表。この流通量の増加により、テザーの総準備資産はこれまでで最高の約818億ドルに達した。

テザーの新たな成長は、同社の最大の競争相手であるサークル社のUSDCの衰退が一部原因かもしれない。USDCは、シリコンバレーバンクの破綻による露出リスクへの懸念から、3月に一時的にセカンダリー市場でペッグ(連動)を失った。その後、コインはすぐにペッグを回復したが、市場価値は以降下降し続けている。サークル社のジェレミー・アレールCEOは、この衰退のもう一つの要因として、仮想通貨に対する米国規制当局の強化が影響していると述べている。