銀行間の国際的な決済ネットワークであるSWIFT(国際銀行間通信協会)が複数のイランの銀行を国際送金網から遮断し始めたことを受けて、仮想通貨業界からは「脱ドル」に拍車がかかるだろうという声が上がっている。

複数のメディアによるとSWIFTは5日、世界の金融システムの「安定性と統合性の利益を守る」ため、複数のイラン銀行を送金網から遮断するという声明を発表。米国のトランプ政権がイラン核合意を破棄し、イランに対する制裁を全面復活させたことに伴う措置で、当初イラン企業との取引がある欧州は反対したが米国に押し切られた。ロイター通信によると先週末からすでにイラン銀行の遮断は始まっている。

一方、渦中のイランでは仮想通貨の取引が活発になってきている。7月にはイランの通貨リアルがドルに対して最安値をつける一方、イランでビットコイン(BTC)の取引高が増加。また、イラン政府幹部が国家発行の仮想通貨を準備していること認め、「(デジタル通貨によって)世界各地へ資金を送金することが容易になるだろう。さらに制裁に課された時にも役立つ」と述べていた。

ただイラン中央銀行(CBI)は4月、国内の金融機関による分散型仮想通貨の取り扱いを禁止している。

仮想通貨業界に追い風

ビットコイニストは、イランはビットコインをマイニングする上で世界で三番目に安い国指摘。マイニングは、ブロックチェーン上で取引を承認する行為で、承認の際に高度な数学の問題を解く必要があるため大量の電力を消費する。

さらに米国出身の経済ジャーナリストであるマックス・カイザー氏は、RTに対してSWIFTの措置によりドルの終焉が早まるだろうと予想した。

ロシアと中国はSWIFTへの代替手段を開発中だ。米ドルに首を絞められるを避けるため、数百トンもの金を購入する一方でね。世界的な脱ドルの流れが加速するよ(中略)イランは、賢くなって、金とビットコインを貯め始めるべきだね

SWIFTのイラン遮断措置が、イランによる仮想通貨寄りの政策をさらに推し進めることになるかもしれない。

 

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