イランの通貨リアルがドルに対して最安値をつける一方、イランでビットコイン(BTC)の取引高が増えているとCCNが31日に報じた。法定通貨に対する人々の信頼が揺らぐイランで仮想通貨がどういう役割を果たすのか注目される。

 イランの通貨リアルは、5月に米国がイランをめぐる核合意からの離脱を表明する前後から下がり始め、トランプ政権が8月7日にイラン向けの経済制裁を再開するのを控えてさらに下落に拍車がかかっているとみられる

 一方、イランにおけるビットコインの取引は、去年12月の水準には到達していないが、増加している。CCNがインタビューしたイラン人によると、毎月、米国からの経済制裁に備えてビットコインを購入していると話したという。

 「ビットコインとイーサリアム を買い始めた。イランの中央銀行が深刻な経済状況を立て直せると思わないから」


 またCCNによると、このイラン人は、地下市場でビットコインに対するリアル安が進んでいるという。1BTCは先月には1万ドル相当だったが、最近では2万ドルまで上昇しているケースも見かけるそうだ。

 先週イランは、米国による制裁を迂回するために国家発行の仮想通貨の開発を推し進める予定であると報じられていた