スウェーデン中央銀行リクスバンクは、中央銀行デジタル通貨(CBDC)研究の第3フェーズに関する報告書を公表した。今回の報告書では、リテール決済と条件付き決済のための協力モデルについて取り扱っている。
リクスバンクは2020年にCBDC研究を開始し、既存の民間決済サービスとの協力を最初の優先事項としていた。協力においてガバナンスを重要な課題として捉え、3つのレベルにオプションを分けている。最低レベルは、参加者にあまりに自由を与えすぎて「e-クローナとは何かについて、一般の人々が共通の理解を形成することが難しくなる」リスクを伴うガイドラインだった。また、全ての人々に奉仕するように発展しないかもしれない。
この反対側には、「e-クローナのインターフェイスとサービス範囲が[…]すべての参加者にとって標準化され、共通化される」というリクスバンクが運営するアプリというものだ。これらのパラメータの設定は、イノベーションに大きな影響を与える可能性があると指摘した。
The Swedish Central Bank, Riksbank, is creating the E-krona #CBDC and is already in pilot phase 3.https://t.co/k9GOBxA6uE
— Avem (@avemfinance) April 12, 2023
リクスバンクは、車の購入に関する成功した条件付き決済について報告した。これは電子通貨のプログラマビリティにとって前向きな兆候であったが、複雑な取引を完了するために必要な追加情報のためにプライバシーに関する問題が提起されたという。
「お金に条件が課される場合、例えば特定の購入や特定の機会にのみ使用できる場合、それはギフトカードのようなものになり、もはやお金ではなくなるリスクがある」
リクスバンクは、システムに固有の透明性が銀行秘密に影響を与える可能性があり、サービス提供者の不正行為を発見するのに役立つ可能性があるとも指摘した。
リクスバンクは、米FRBや欧州中央銀行と同様に、CBDCの発行に関する決定がまだなされていないと強調しつつも、その議論には一定の緊張感が感じられた。リクスバンクは次のように述べている。
「現金が民間企業のデジタルサービスに取って代わられると、リクスバンクの支払い市場における直接的な役割が縮小される。そのため、リクスバンクは、社会のすべてのグループにアクセス可能な安全で効率的な支払システムを促進するという任務を達成することが難しくなるかもしれない。」
e-クローナは、この問題への潜在的な解決策であると示唆されている。また、報告書では、リクスバンクがプロジェクト・アイスブレーカーに参加していることにも触れられており、これには国境を越えたリテール決済や送金が含まれている。