◆米国人の60%が選挙の寄付金として仮想通貨を法定通貨と同様に扱うべきと考えているという調査が出た
◆ただ海外による選挙介入や不法な使用を懸念する声も強い
◆米議員による初めての仮想通貨保有額公表があるなど米政界での仮想通貨の存在感は高まっている

米国人の60%が選挙の寄付金として仮想通貨を法定通貨と同様に扱うべきと考えているという調査結果をブロックチェーン調査会社Clovrが発表した。支払い手段としての仮想通貨の普及にはまだ時間がかかりそうだが、政治の世界では過半数の支持を得ているようだ。

Clovrは、米国の有権者1023人に調査。ほぼ60%が政治献金において仮想通貨と米ドルは同様に扱われるべきと回答。反対したのはたった21%だったという。ただ、仮想通貨によって外国による選挙介入の確率が高まると考える米国人は60%、政治システム上で米ドルより違法な使われ方をされる可能性が高まると考える米国人は62%で、それぞれ過半数を超えた。

セキュリティ

Clovrは支持政党別でも様々な質問をした。
仮想想通貨はセキュリティー面で政治目的での利用に耐えうると考える共和党支持者は63%、民主党支持者の52%。支持政党なしは45%で全体では54%だった。

ブロックチェーン調査会社Clovrによる質問と回答(引用元:Clovr「仮想想通貨はセキュリティー面で政治目的での利用に耐えうるか?」)

財務上の安定性

仮想通貨は財務面での安定性の観点から政治目的での利用に耐えうるかという質問に対して、「イエス」と答えた共和党支持者は52%、民主党支持者は40%、支持政党なしは35%で全体では42%だった。

 

ブロックチェーン調査会社Clovr財務上の質問と回答(引用元:Clovr 「財務面での安定性の観点から政治目的での利用に耐えうるか?」)

米政治と仮想通貨

米国の政界で仮想通貨の存在感は高まっている。

7月には米ウィスコンシン州知事選に出馬するリバタリアン党の候補者が、ビットコイン(BTC)による献金受け付けると発表。「仮想通貨による献金を認めるのは州法への重大な挑戦」という立場を示したウィスコンシン州倫理委員会と対決する姿勢を打ち出していた。

また米議会議員の仮想通貨の保有額を明らかにする動きも出ている。

共和党下院の司法委員会のトップであるボブ・グッドラッテ議員が、米議員として初めて仮想通貨の保有額を公表。1万7000ドルから8万ドル(約190万円~890万円)のデジタル通貨を保有し、ビットコイン(BTC)とイーサリアム (ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)に投資をしていることを明かした。

仮想通貨業界からの圧力も

仮想通貨業界の中から政治献金を通して米政治家に圧力をかけようという動きも見られる。米国最大の仮想通貨取引所のコインベース(Coinbase)は7月、政治献金を行う政治活動委員会(PAC)を設立。米国の政治活動委員会(PAC)は、同じ政治目標を持つメンバーから寄付を集め、選挙の候補者や投票のために献金する団体。企業や組合は直接献金することができないため、PACを通して献金する。

 

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