金からビットコイン(BTC)への投資家の移行が進んでいる。ARKインベストのキャシー・ウッドCEOが、現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の開始後、この傾向が顕著になったと指摘する。
「金に対してビットコインが上昇している。ビットコインへのアクセスがより容易になったことで、ビットコインへの置き換えが進むと考えている」と、ウッド氏は2月4日、ARKのYouTubeチャンネルでの未来学者ブレット・ウィントン氏との対談で語った。

ウッド氏は、金と同様に、銀行セクターに弱気の兆候が見られた際にビットコインが「リスクオフ資産」としての価値を証明すると期待している。
ウッド氏は、2023年3月に米国が「地方銀行危機」を経験し、その際にビットコインの価格が40%急騰したことを目の当たりにしたことを挙げた。「地方銀行指数が暴落していたが、再び地方銀行指数が動揺している」とウッド氏は付け加え、「これは質への逃避、安全への逃避が再確認されるだろう」と指摘する。
フィデリティの最近の分析によると、世界的に金利が上昇しているにもかかわらず、2023年にビットコインと金の相関関係が高まり、これまでの金利との逆相関から切り離されたという。
Longtermtrendsによると、ビットコインと金の1年間の移動相関は現在0.80に達しており、これは過去最高の数値となる。

現物型ビットコインETFの開始に関して、ウッド氏は、ビットコインが4万8500ドルから数時間後に3万8740ドルまで20%下落した価格調整に驚かなかったと言う。実際、ETF開始前にウッド氏は、「ニュースを売る」イベントを引き起こすと予測していた。
しかし、現在流通している1950万BTCのうち、155日間動かなかった1500万BTCが「強固な手の内にある」とも指摘し、ほとんどのビットコイン保有者が長期的な見通しを持っていることを示しているかもしれないとも指摘する。
ウッド氏の率いるARKインベストは、1月11日にARK21シェアーズ・ビットコインETFという現物型ビットコインETFを開始した。
ビットメックスリサーチのデータによると、ARK21シェアーズETFは先週の取引時間終了後に7億580万ドル相当のビットコインを保有しており、グレースケールのGBTC、ブラックロックのIBIT、フィデリティのFBTCに次いでビットコインを多く保有している。
ARKインベストはまた、2022年2月に仮想通貨取引所コインベースの株式(COIN)を大量に購入し、複数のETFを通じて現在718.7万株(約8億4300万ドル相当)を保有している。だが、昨年6月7日以来、COINを積極的に売却している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン