欧州刑事警察機構(ユーロポール)が統括し、スペインの治安警察が指揮するトゥリパン・ブランカ(ホワイト・チューリップ)捜査班が、仮想通貨により800万ユーロ以上の資金洗浄を行ったとして11人を逮捕した。ユーロポールが9日に公表した

 ユーロポールによると、クレジットカードと仮想通貨を用いて麻薬販売で得た資金を洗浄していた犯罪集団を重点的に捜査したという。

 容疑者らは、現金で不正資金を受け取った後、第三者の複数の銀行口座に少額ずつ預けていたとみられる。現金は金融システム内に流通していたため、容疑者らは不正資金をコロンビアの麻薬ディーラーに送金するだけでよかった。その後、その口座のクレジットカードを取得し、コロンビアで出金した疑いが持たれている。

 その後、現金の引き出しや銀行経由で取引を行えば容易に追跡されると気づき、代わりに仮想通貨を使用した。主にビットコインが用いられ、取引所を介して不正資金をビットコインに換えた後、コロンビアペソと交換して同日中にコロンビアの銀行口座に入金した。

 スペイン当局はフィンランド当局と協力し、犯罪集団が利用していた取引所がフィンランドにあることを突き止め、犯人追跡に必要な情報を収集した。

 現在も137名がスペイン治安警察の捜査を受けている。容疑者らは800万ユーロ以上を174の異なる銀行口座に預けていたことが捜査により明らかになった。ユーロポールによると、捜査員らは「犯罪組織ネットワークによる仮想通貨の使用を特定できるよう」特別な訓練を受けているという。