インド南部のケララ州政府が、食品の供給と流通の管理にブロックチェーンを使用する。現地メディアのビジネス・スタンダードが17日に報じた

 ケララ州のシンクタンク「開発イノベーション戦略評議会(K-DISC)」が率いるこの新しいプロジェクトは、ブロックチェーンとIoT技術を用いて、ケララ州における乳製品、野菜、魚の供給ネットワークの効率化を目指す。

 ビジネス・スタンダードに対し、K-DISCの会長であるKM・アブラハム氏は、供給ネットワークの各構成要素に個別の識別番号を割り当て、識別番号を通じてその供給源、生産、品質、流通をブロックチェーン上でモニターすることができると述べた。

 さらにケララ州は、州の農作物保険制度にもブロックチェーンを用いることで、作物の損失を被った農家のために、改ざんできない効率的な保険請求処理と保険金の支払いを確保すると報じられている。ブロックチェーン上の不変のデータが、作物の損失が自然の原因によるものか他の要因によるものかを判断するのに役立つ可能性がある。さらにブロックチェーン技術は、保険会社と保険金受取人の間を取り持つ仲介機関を排除し、第三者代理人の必要性をなくすのにも役立つ可能性がある。

 米大手小売企業のウォルマートは4月、同社の生鮮食品のビジネスにブロックチェーン技術を使う準備が整ったことを発表した。ウォルマートはIBMと協力し、食品の無駄を削減し、異物混入製品の追跡や透明性の向上につながるとされるシステムを開発した。

 先週マイクロソフトは、サプライチェーン全体の追跡可能性と可視性を確保するため、独自のブロックチェーンに基づく製品追跡プラットフォームを開発するための新たなパートナーシップを発表した。

 さらに先週ロッテルダム港湾公団は、到着する貨物の状態を即時確認することを可能にするため、K-DISCと同様にラベル付けシステムを用いる独自のブロックチェーンシステムを共同開発していることを発表した。