シンガポール中央銀行のフィンテック担当幹部モハンティー氏が、MIT主催のブロックチェーンイベントで講演を行い、銀行によるデジタル通貨の発行にあまり意味を見出せないと発言した。シンガポール中銀は2日、カナダの中銀と共同で分散型台帳技術(DLT)を利用したデジタル通貨のクロスボーダー決済の実験成功を発表した

モハンティー氏によると、2016年当時、シンガポール政府がブロックチェーンを理解していなかったため、シンガポール中央銀行が主導で実験を行なった。クロスボーダー(国をまたいだ)送金や銀行システム内での支払いなどをどのように行えば良いか研究したという。

モハンティー氏は、この技術の有効性を認めたものの、リーテールバンクの使用に関しては未来が見えないと話したそうだ。

大手銀行JPモルガン・チェースは、独自の仮想通貨JPMコインを開発し、クロスボーダー(国をまたいだ)送金分野での存在感を増している。JPMコインと連携すると見られる同社のブロックチェーン基盤の決済サービス「銀行間情報ネットワーク(IIN)」に加盟する銀行が順調に増加しており、先月23日時点では220以上の銀行が参加していると報じられていた。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版