スポーツベッティング企業シャープリンク・ゲーミングが、イーサリアム(ETH)17万6271ETHを4億6300万ドルで取得したと発表した。これにより、同社は世界で最も多くETHを保有する上場企業となった。

ナスダック上場企業であるシャープリンクは13日、今回のETH取得に関する声明を公表。取得資金は私募と市場での株式売却によって調達されており、そのうちの7900万ドルは5月30日以降に調達されたという。平均取得単価は1ETHあたり2626ドルだった。

同社によれば、現在保有するETHの95%以上が、ステーキングおよびリキッドステーキングのプラットフォームにデプロイされており、ネットワークのセキュリティに貢献しながら利回りを得ている。

シャープリンクのロブ・フィシアンCEOは「これはシャープリンクにとって、そして上場企業によるデジタル資産導入にとって画期的な出来事だ」と言い、「ETHは当社の『主要な財務準備資産』として位置付けられるようになった」とコメントしている。

「イーサリアム版マイクロストラテジー」

シャープリンクの今回の動きは、マイクロストラテジーによるビットコイン(BTC)財務戦略を彷彿とさせるものの、イーサリアムを中核資産とする点で異なる。上場企業がETHを財務準備資産の中核に据えたのはこれが初めてとなる。

ナスダックに上場するシャープリンク(SBET)は、株主に「意味あるETHへの経済的エクスポージャー」を提供することを目指しているという。

シャープリンクの会長であり、イーサリアム共同創設者のジョセフ・ルービン氏は声明の中で「この大胆なETH戦略はイーサリアムの導入における重要なマイルストーンとなる」と述べた。

さらに「ETHに多額の資本を投じ、ステーキングといったネットワーク活動に活用することで、イーサリアムの長期的な信頼性やセキュリティに貢献しながら、追加のETHも獲得できる」と強調した。

シャープリンク以上にETHを保有する組織も存在

シャープリンクが世界で最も多くETHを保有する上場企業になった一方で、非上場の組織などにはそれ以上の保有量を誇る存在もある。

アーカムのデータによると、イーサリアム財団の保有残高は現在21万4129ETH(約5億9400万ドル)に達している。

イーサリアム財団の仮想通貨保有  Source: Arkham

また、ブラックロックなどの仮想通貨ETF運用会社も、顧客の代理としてシャープリンクを上回るETHを保有している。ブラックロックのデータによれば、同社が運用する「iシェアーズ・イーサリアム・トラストETF」は、6月13日時点で約170万ETH(約45億ドル相当)を保有しているという。

シャープリンクの株価は乱高下

シャープリンクのETH戦略は賛否両論を呼んでいる。5月27日のETH購入戦略の発表後、同社株は一時400%以上急騰した

しかし今週初めにフォームS-3申請の提出が明らかになると、木曜日の時間外取引で株価は32.53ドルから8ドル未満に急落。その後やや回復したものの、一時73%もの暴落となった。原因は、私募投資参加者による最大5870万株の売却が可能になるという誤解で、実際の売却があったわけではなかった。

これを受けてルービン氏は、今回の提出は定例の規制手続きであり、インサイダーによる売却ではないと釈明している。

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