イスラム?税金?ショートスクイズ? ビットコイン急騰の理由は何だったのか

 仮想通貨市場は、12日にビットコインがわずか30分で1000ドル近く急騰してから、上昇局面への回帰に沸いている。

 ビットコイン価格の突然の上昇は拍手喝采で受け止められたが、一体何がこの高騰を引き起こしたのかという考察が盛んに行われている。

 今回の急騰には様々な理由があり、どうやらそれが重なったことで価格高騰を演出したようだ。週明け以降、ビットコインの価格は記事執筆時で8157ドルで推移しているが、ここで先週からの急騰を改めて整理してみよう。

ショートスクイズ

 フォーブスの金融アナリスト、チャールズ・ヘイター氏は、今回の急騰は仮想通貨取引所ビットフィネックスでの「ショートスクイズ」という現象によるものだと説明している

 ショートスクイズとは、相場の価格を好転させることで、ショート筋のポジションを損切りさせることだ。

 ビットコインは昨年12月に史上最高値2万ドルを記録してから弱気相場が続いていた。しかし、相場の空気が変わり、先週木曜からビットコイン価格が上昇し始めたことで、ショート筋はポジションを閉じるよう迫られた。

 結果として、ビットコインは1日の取引高の最高記録を更新した。ツイッターユーザーが指摘するように1時間の取引高の記録も更新した。

(これは1時間の取引量のロウソクとしては過去最大だ。38万5000BTC(約2億7000万ドル)以上の取引があった)

納税対策の売却が終わる

 米国の確定申告の締め切りが迫っていたことも、投資家に多くの影響を与えていた。ファンドストラット社のトム・リー氏は、税務署に税金を支払うために4月には大量の売りがあるだろうと予測していた

 しかしダッシュ・コア社のライアン・テイラーCEOは17日、ビットコイン価格の急騰は、所得税を支払うために一度は売却した投資家が、再びビットコイン相場に戻ってきたことが原因ではないかとCNNに買った。

「確定申告の締め切り前への駆け込みの売りは、もう収まっている。今後、税金の還付が進めば、新たなマネーが市場に流入するだろう」

ビットコインはイスラム法でOK?

 コインテレグラフは2月、ビットコインがイスラム法のもとで認められる可能性について論じた。その議論を裏付けてくれるように、インドネシアのベンチャー企業、ブロッサム・ファイナンスは今月12日に、イスラム法のもとでビットコインが認められるとのレポートを出した。イスラム法学者であるムハンマド・アブー・バカル氏は、仮想通貨はイスラム法のもとで認めらえると説明した。

 このレポートが12日に出されたことを考えれば、多くの人々が、イスラム教徒が仮想通貨投資に参入すると考え、取引高に影響を及ぼした可能性がある。

売りのプレッシャーが減少

 2018年第1四半期は、ビットコインや仮想通貨にとっては追い風とは言えない状態だった。世界中でいくつもの要因が重なり、昨年末の高値の勢いを挫く形となった。

 1月には、韓国で誤解を招くような報道が拡散し、東アジアの市場に大きな不安を生んだ。韓国は「キムチプレミアム」により仮想通貨取引の中心地だったが、「仮想通貨取引が禁止される」という噂で売りが殺到した。中国の仮想通貨に対しる強硬姿勢も、否定的な市場感情を増幅させた。

 さらに、1月にダボスで開かれた世界経済フォーラムでは、金融界の第一人者たちが仮想通貨を酷評し、著名な講演者たちが厳しい規制の必要性を訴えた。ただ、こういった主張は、2月の米議会公聴会で米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の証言でバランスが取られる形となった。

 SECとCFTCは仮想通貨に対して肯定的な所見を述べ、投資家をイニシャル・コイン・オファリング(ICO)絡みの詐欺から守ると同時に、仮想通貨業界の発展を促すような規制を設けることを約束した。議会での公聴会を受け、市場は好意的に反応した

 そこから1か月も経たないうちに、事業停止中の取引所マウントゴックスの破産管財人が、負債を支払うために3億ドル以上の仮想通貨を売却したことが報道され、ビットコインがさらに下落した。また大手ソーシャルメディアのフェイスブックツイッターグーグルが、仮想通貨・ICO関連の広告を禁止するとのニュースが駆け巡ったことも忘れてはならない。

  これらのすべてがビットコインの「売り超過」につながったと、トム・リー氏は13日のCNBCのインタビューの中で述べた。

再び強気へ?

 世界的な著名投資家のジョージ・ソロス氏が、自身の投資ファンドを通じて、仮想通貨投資へ参入するとの報道が出た。これがビットコインなどの仮想通貨が、弱気相場を終わらせるサインとなった可能性がある。

 ベンチャー投資家のティム・ドレイパー氏も火に油を注いだ。ドレイパー氏は、ブロックチェーン関連イベントで「ビットコインは2022年までに25万ドルに達する」との予測を出した

 記事執筆時点では、ビットコインやアルトコインはポジティブな値動きをしており、ビットコインは8157ドル付近で取引されている。

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