韓国最大の仮想通貨(暗号資産)取引所ビッサムに、韓国ソウル地方警察が家宅捜索したと報じられている。

ソウル新聞の報道によると、ソウル地方警察の情報犯罪班が2日、ソウル中心部にある江南(カンナム)区の事務所を捜査したという。

今回の家宅捜索はビッサムホールディングス会長のイ・ジョンフン会長が関連しているとされる仮想通貨販売に関する詐欺に関連したものとされる。

ビッサムは以前、ネイティブトークンであるBXAトークンの300億ウォン(約26億7800万円)相当のプレセールを実施したが、ビッサムにBXAトークンが上場しなかったことで、投資家300人に損害を与えたとされている。

BXAトークンは、ビッサムがシンガポール企業であるBKグループに買収されることに伴い発行されたもの。しかしこの買収は成立せずに失敗に終わったことを受けて、BXAトークンが暴落したことで投資家がビッサムを訴えている。

ビッサムは韓国で最大の仮想通貨取引所だ、1日の平均取引量は世界全体で見ても9位となっている。

2020年6月の報道であるように、同社は新規株式公開(IPO)を予定している。これは現地メディアが報道したもので、ビッサムを運営するビッサムコリアがサムスン証券を主幹事としてIPOの準備に入ったというものだ。当時の報道で、地元関係者はビッサムのIPOに伴い、ガバナンスの問題が浮上するのではないかと懸念するコメントを出していた。

ソウル警察はこれまでに、ビッサム以外にも捜査のメスを入れている。8月には同国3位の仮想通貨取引所であるCoinbitの事務所を家宅捜索した。Coinbitは市場操作によって8500万ドルの収入を得ていたとされている。現地報道によると、Coinbitの過去数か月の取引高の約99%が市場操作によるものだったという。警察当局は、この市場操作に関与したとして、Coinbitのオーナーや管理者らを捜査しているという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン