米SEC「数十件のICOを調査中」、投資家保護で仮想通貨タスクフォースも設置

米証券取引委員会(SEC)のエンフォースメント部門は、11月2日に年次執行報告書を発表した。報告書では、詐欺的なイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に対する対応についても触れられている。SECは2018年度に数十件のICOについて調査を開始し、現在もその調査は進行中だと記している。

この報告書によると、2017年末にSECのエンフォースメント部門内にサイバー調査班が組織されて以来、SECはインターネット上でのICOによる不正行為などに目を光らせてきた。

SECは、活発なICOの動きを暗号資産発行の「爆発」と報告書の中で表現し、ICOの投資についてはハイリスクなものが多いと指摘している。報告書では、SECのICO調査について次のように言及している。

「過去1年間、ICOとデジタル資産に関して数十件の調査を開始した。その多くは、2018年会計年度の終了時においても継続中だ」

このレポートの中ではいくつかの不正なICOの事例について記している。そのうちの3つは投資家から6800万ドルを超える金額を詐取したという。ある金融サービス・スタートアップの創業者たちは、数千人の投資家から3200万ドルの資金を集めた。 またTitanium Blockchain Infrastructure Services Incという企業の社長は2100万ドルを集めた。「犯罪の常習者」と書かれている人物は、投資資金が13倍になるとうたって、投資家から1500万ドルを集めたという。

またSECのエンフォースメント部門は、投資家保護に対応するために内部に新しいタスクフォースを創設した。それはリテール戦略タスクフォース(RSTF)といい、仮想通貨やブロックチェーン業界に対して取引停止を含む措置を行い、投資家保護をリードしていく役割を担うという。

報告書によると、SECは2018年度に39億4000万ドルの罰金および不正利得の返還要求を命じた。そのうちの3億400万ドルは、上位5%の大規模な事件によるものだという。

今年10月のヤフー・ファイナンスとディスクリプトメディアが共同レポートによれば、SECはICOへの取り締まりを拡大している。ICOについては法的な規制が不明確な部分があるにも関わらず、SEC側が明確なルールを提供していない状況を指摘。レポートの中では、多くのスタートアップがSECから証券法違反に問われ、法的な問題について争う代わりに、投資家に資金を払い戻し、罰金を支払うことに「静かに同意」している状況だと伝えている。