米証券取引委員会(SEC)投資家教育支援局は16日、偽のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を立ち上げたと発表した。詐欺ICOの典型的な特徴に対して人々の意識を高め、投資家教育を推進することが目的だ。

 @SEC_News SEC投資家教育支援局が偽ICOウェブサイトを立ち上げ:http://ow.ly/nlkw30k267j   #howeycoins #ICO

 偽サイトHoweyCoins.comは、「うますぎる投資チャンス」を謳う詐欺ICOの典型例を表現しており、誤解を招く曖昧なホワイトペーパー、利益の保証の確約、有名人の推薦、「生涯最高の投資チャンスが見る間に失われていく」カウントダウン・クロックなど、細部まで作り込まれている。

 ユーザーが「今すぐコインを購入」をクリックすると、投資家を詐欺から守るためにSECが作ったウェブサイト、Investor.govへ飛ぶ。そしてこのサイトは、HoweyCoinsのような投資話に乗ると「詐欺に遭う可能性があった」と警告する。

ICO - HOWEYCOINS

SECのジェイ・クレイトン委員長は、SECは新たなテクノロジーの採用を支援するものの、投資家が学習し、詐欺話の特徴を理解することも促すと強調した。 

「我々は新たなテクノロジーを歓迎するが、詐欺話の特徴を投資家の皆さんにお見せしたいとも考え、詐欺の典型的特徴を多数備えたこのような教育的サイトを立ち上げた。分散型台帳技術は資本の調達の効率化につながるが、主催者や発行者は、証券取引法を順守するよう留意する必要がある。投資家の皆さんには、注意を怠らずに質問することを促したい」

 SEC投資家教育支援局のオーエン・ドンリー主席顧問は、詐欺ICOのウェブサイトは極めて短時間に作成でき、新たな詐欺サイトを容易に素早く立ち上げることができると語った。

 コインテレグラフが今週初めに伝えたとおり、仮想通貨のスタートアップ、セントラテック社の3人の共同創設者が、詐欺ICOを実施したとして正式に起訴された。セントラテック社のICOは、17年に投資家から3200万ドルを調達した。フロリダを拠点とする創設者らは、VISA及びマスターカードと提携して仮想通貨のデビットカードを発行すると主張して投資家を惑わせた。

 先月下旬にはSECのロバート・ジャクソン委員が、投資家は「投資と詐欺を見分けるのに苦労している」としてICO全般を批判した。同氏はさらに、ICO市場は統制されていない証券市場の典型例だと述べた。