米証券取引委員会(SEC)は、XRP(XRP)、ソラナ(SOL)、ライトコイン(LTC)、ドージコイン(DOGE)を対象とした複数の上場投資信託(ETF)に関する承認決定期限を延期した。
3月11日に公開された一連の文書によると、SECは「ETFの承認に関する判断を下すまでの期間を延長する」としている。
この延期の影響を受けるETFには、グレースケールのXRP ETFや、Cboe BZX取引所が申請したソラナETFが含まれる。これらの決定期限は5月まで先送りされた。
SECによるアルトコインETFの承認決定延期 Source: SEC
延期は「想定内」との見解も
ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は、3月11日のXの投稿で「SECは多数のアルトコインETFの審査を延期したが、これは特に問題視する必要はない」とコメントした。
「この手続きは標準的なものだ。トランプ大統領が指名した新SEC委員長のポール・アトキンス氏はまだ正式に承認されていない」と述べ、「最終的な期限は10月であり、我々の承認予測(比較的高い確率)は変わらない」と続けた。
同じくブルームバーグのETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏も、「すべてのETFが遅延している」と指摘し、イーサリアム(ETH)のステーキングETFや現物償還型ETFも影響を受けていると述べた。
SECの審査遅延は今回が初めてではない
SECがETFの審査期限を延長するのは今回が初めてではない。2月28日には、Cboe取引所によるイーサリアムETFのオプション上場申請の期限を延長した。
2024年の米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が再選し、前SEC委員長ゲイリー・ゲンスラー氏が退任したことを受けて、多数のアルトコインETF申請が行われた。
ゲンスラー氏のSEC在任中は、2021年から2024年1月の辞任までに100件以上の仮想通貨関連の規制措置を実施し、業界からは「強硬な規制姿勢」を批判されていた。
しかし、ゲンスラー氏の辞任後は、SECが提起していた訴訟の一部が次々と取り下げられる状況となっている。たとえば、2月26日には仮想通貨取引所ジェミナイ、3月4日には仮想通貨取引企業カンバーランドDRWに対する訴訟が取り下げられた。
SECの委員長代行を務めるマーク・ウエダ氏は、代替取引システム(ATS)規制の拡大を仮想通貨企業に適用する方針の一部撤回を提案している。
また、トランプ大統領は2024年12月、仮想通貨推進派で元SEC委員のポール・アトキンス氏を次期SEC委員長に指名したが、議会での正式な承認審査はまだ行われていない。