仮想通貨取引所FTの元CEOであるサム・バンクマン-フリード氏(通称SBF)に対する刑事裁判で提出された証拠によると、SBF氏は2022年にバイナンスがアラメダの財務諸表をメディアにリークしたと考えていた。

FTXの姉妹会社アラメダリサーチの元CEOだったキャロライン・エリソン氏によれば、SBF氏が2022年11月6日にメモを作成し、FTX救済に乗り出すかもしれない投資家や関係者をまとめていた。そのSBFのメモの中では、バイナンスが「私たちに対するPRキャンペーンを展開していた」と書かかれていた。また、バイナンスが「財務諸表をリークし、ブログに投稿し、それをコインデスクに提供した。FTXに警戒するよう顧客に告げながら、5億ドルのFTTを売却すると大々的に発表した」とも書かれていた。

2022年11月2日、コインデスクはアラメダの財務諸表に基づくレポートを公開し、同社の状況が悪化している可能性があると報じた。これはFTXからの出金増加をもたらし、最終的にはその破綻へとつながる重要なイベントだった。

またエリソン氏は、当時FTXが保有しているとされる120億ドルの顧客資産のうち、出金処理に対応するために利用可能だったのは40億ドルだけだったと明らかにした。

証拠として提出された文書では、トロン・ネットワークの創設者であるジャスティン・サン氏を投資家候補として挙げていたが、「彼がCZに近いことが判明した」とも記されていた。

インナーシティプレスによる報告では、CZがバイナンス保有のFTTを清算するとツイートしたときにエリソン氏は「ストレスを感じた」と証言した。

バンクマン-フリード氏の刑事裁判の第2週目である。SBF氏は、FTXの崩壊に関連して詐欺など7つの罪で訴えられており、彼は無罪を主張している。第2の裁判は2024年3月頃に予定されており、SBF氏は銀行詐欺と外国収賄共謀など6つ罪で再び裁判が行われる。

エリソン氏はこれまでの裁判で重要な証人となっており、10月12日には弁護側による反対尋問が予定されている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン