スペインを拠点とする大手銀行、サンタンデール銀行が、ブラジルの仮想通貨取引所メルカド・ビットコインの銀行口座を閉鎖したことをめぐって争われた裁判は、サンタンデール側の訴えが退けられる形となった。サンパウロの裁判所が下した口座凍結解除の判決に対して、サンタンデール側は異議申し立てを行っていたが、このほど裁判所はこの申し立てを却下したのだ。コインテレグラフのブラジル版が6月17日に報じた

サンタンデール銀行は昨年、メルカド・ビットコインの口座を無断で閉鎖したとして訴えられていた。同行は、ラテンアメリカに複数の支店を持つ。サンタンデールは、メルカド・ビットコインが仮想通貨取引所であるという性質上、口座の資金の出どころについて懸念を示していた

サンタンデールは口座閉鎖に伴い100万レアル(約2800万円)超を凍結したが裁判所は同行に凍結を解除するよう命じていた。さらに、凍結された口座に対して月当たり1%の利息を支払うよう命じ、その額は20万レアル(約560万円)にのぼるとされる。同行はこの判決に対して裁判所に申し立てをしていたが、今回、申し立てが却下されたことで、同行は強制的に資金の返還と罰金の支払いを強いられることになった

仮想通貨取引所の銀行口座が閉鎖されたとして銀行との間にトラブルが起きるケースは過去にも発生している。仮想通貨業界は規制がなさすぎる、もしくは、不安定すぎるとして、金融機関が取引を敬遠しようとする場合があるためだ。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版