ビットコイン価格はテスラの15億ドル投資という発表を受けて、47000ドル付近の史上最高値を推移している。過去最高に近いビットコイン先物の建玉が137億ドルに達した一方で、昨晩は2時間で5億5500万ドルのショート(売り)が精算されることになった。一時的に上昇する資金調達率とレバレッジからビットコインのさらなる上昇余地が示されており5万ドルに向かうシグナルと言えそうだ。

この値動きは永久先物の利用者にとって、ロング(買い)ポジションを保有するコストを大幅に増加させた。永久先物では資金調達率(ファンディングレート)という仕組みがあり、ロングにかけているトレーダーがショートより多い場合はロング保有者が手数料を多く負担することになるからだ。

しかし、この指標は投資家がどれだけレバレッジをかけているか、そして今後の価格動向を図る指標となる。

BTC futures open interest in USD. Source: Bybt.com

上記の図で示されるように、ビットコイン先物の建玉総額はすでに150億ドルの史上最高値に達した。

想定外のポジティブなニュースが出ると、極端なレバレッジをかけようとするのはよくあることだ。これは損失によって証拠金が減少するショートと、ポジションを増やすロングの両方に起こる。

ショート側は証拠金が不足したことで、ポジションが強制的に解消され、レバレッジが低下する。一方のロング側は利益を得ているためポジションを増やしてもレバレッジは上がらない。

最初の上昇後は資金調達率が上昇し、ロング側が永久先物の建玉を維持するための手数料が上昇することが予想される。

BTC perpetual futures 8-hour funding rate. Source: Bybt.com

上図のように、8時間の資金調達率は0.25%となっている。週で見ると5.4%に相当し、非常に大きな金額となる。

1月29日時点でも見られたように、ビットコインが最高値を更新しても、資金調達率は自動で調整される。これは2つの理由がある。レバレッジをかけた買いが多くの資金を入金したことと、アービトラージデスクが永久先物をショートし、同時にスポットでビットコインを購入したことだ。

8時間ごとに0.05%から0.10%の間で変動する資金調達率は、強気市場では標準的で、期待できる。この指標は、月額で見た場合の手数料が4.6%から9.4%であることを意味し、レバレッジをかけたロングの方には問題ないだろう。

この期間にクジラやアービトラージデスクがどのようにポジションを取ったかを理解するには、主要取引所のトップトレーダーのロング・ショート比率を見るのがいい。

OKExのトレーダーが先買い

Top traders BTC long/short ratio. Source: Bybt.com

バイナンスのトレーダーは2月8日の上昇前に33%のロングポジションを保有しており、これは2週間平均の26%を上回っている。テスラのニュースが報道されると、彼らはロングポジションを積み増し、指標を1ヶ月ぶりの高水準となる46%まで押し上げた。

一方でフォビのトレーダーはニュースの影響を比較的受けていない。彼らのポジションは0.74で、これは26%が2月8日前にショートしていたことを意味する。現在ショートポジションが28%を占めるということは平均並みだ。

最後にOKExのトレーダーは2月6日から8日にかけてロングを増やし、14%に達した。どういうわけか上昇を正しく予想していたこれらのトレーダーは、ビットコインが史上最高値を更新したことで積極的にロングポジションを減らした。

一時的な高い資金調達率はロングにとっては不便だが、現在のところ買い手が過剰なレバレッジをかけている様子はない。少なくとも、ほとんどの取引所のトップトレーダーを構成する大規模なマーケットメーカーとアービトラージデスクのためのものだ。

このことは、ビットコインの更なる価格上昇の余地があることを示唆している。

ここで表明された見解や意見は筆者独自のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解を反映しているわけではありません。すべての投資や取引の動きにはリスクが伴います。決断を下す際には、ご自身で調査を行う必要があります。