「XRPの投げ売りをやめろ」運動に対してリップル社は、リップルはXRPの成功に大きな関心を持っているとし、マーケットで投げ売りをしてXRPレジャーを傷つけるわけがないと述べた。コインテレグラフの取材に答えた

「マーケットで投げ売りするわけがない」

既報の通り、ツイッターのフォロワーが10万人以上いるCRYPTO BITLORDがリップル社による定期的なXRP売却を「XRPの投げ売り」と批判し、やめなければ「フォーク」をすると警告。「リップル・ワン」の下で団結するようにXRPのコミュニティーに呼びかけた。

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リップル社の広報は、この批判に対して次のように答えた。

「リップルは、XRPを管理する1社であり、XRPの成功に大きな関心を持っている。よって、我々はXRPのコミュニティーと共にあり、XRPの健全な発展を支えることに注力している。ビジネスとしてマーケットで投げ売りをしてXRPレジャーを傷つけるわけがない。

また、XRPの投げ売りとしばしば疑われる取引について、古いエスクロー(第3者預託)から新しいエスクローへの移動であることを指摘し、「マーケットに放出されているわけではない」と説明した。

フォークの実現可能性は低い

一方、リップル社は、コインテレグラフに対してXRPのフォークが可能であることを認めた。

「リップルは、XRPレジャーを使う人々がどのソフトウェアを使うかコントロールすることはできない。そして、XRPレジャーのルールの全ては、そのソフトウェアによって執行される」

ただ、XRPのハードフォークの実現可能性は低いと考える専門家は多い。ブロックチェーンコンサル企業Aykesubirのエヤル・シャニ氏は、「コミュニティを引きつけて安定性を保てるかが一番の課題」と指摘。大手取引所への上場などプロセスを経ないといけないと述べた。

また、米格付け会社ウェイス・レーティングのチーフ仮想通貨アナリストであるジュアン・ヴィラバーデ氏は、現状では仮にXRPアーミー(ツイッターで躍動するXRP保有者)がフォークを支持しても、「XRP市場価値を保てるほどの購買力がない」という見方を示した。

ちなみにXRPフォーク発案者のCRYPTO BITLORDは、コインテレグラフに対して「正確にはフォークではなく、最初からスタートするということだ」と発言。創業者の利点や銀行との提携をなくすことに注力すると述べた。

「私の(ツイッターでの)フィードを読む限り、ギットハブのクローンを生成し、いくつか簡単な変更を加える必要がある。ユーチューブでもチュートリアルがあるのは間違いない」

CRYPTO BITLORDは、現時点では具体策を持っていないのは明白だ。

XRP価格低迷の理由は?

ウェイス・レーティングのヴィラバーデ氏は、XRP価格が低迷している背景には「投げ売り」ではなく、フェイスブックの仮想通貨リブラなど他の要因があると考えている。

「我々は、XRPのトークンが大手企業によって意図された目的で実際に使われていないという証拠が増えており、XRPはその現実を心配しているのではないかと考えている。またフェイスブックのリブラ立ち上げで鳴り響くファンファーレも、障害となっている。実際、リップルがXRPを使って達成しようとするいくつかの同じ目標についてリブラの方が適していると考える人は多い

また、トレードブロックのリサーチディレクターであるジョン・トダーロ氏は、コインテレグラフに対して、アルトコイン全体に対する投資家心理の悪化が影響していると分析。その中で、リップル社による大量売却がXRPによるポジティブなニュースをかき消している状況と話した。