リップルは7日、ステーブルコインを活用した決済プラットフォームのレイルを2億ドルで買収すると発表した。取引は2025年第4四半期に完了する見通し。
同社は、この買収がエンタープライズ向けデジタル資産インフラを拡充し、「市場で最も包括的なステーブルコイン決済ソリューション」を提供することを目的としていると説明した。
買収後、リップルは顧客が仮想通貨を保有することなくステーブルコインの入出金(オン・オフランプ)を利用できるようにし、複数の決済タイプや社内資金フローの管理を容易にする計画だ。
また、リップルUSD(RLUSD)やXRPを含む複数のデジタル資産による決済をサポートするほか、第三者や財務部門向けの支払い、バーチャル口座、集金、単一APIによる24時間365日の接続、エンタープライズ向けコンプライアンス、複数銀行とのパートナーネットワークへのアクセスも提供する。
レイルのバヌ・コーリCEOは、アルテミス・アナリティクスの推計として、2025年にレイルが世界のステーブルコイン決済の10%超を処理する見込みであり、この市場規模は世界で360億ドルに達すると述べた。
今回の買収は、これまでに約30億ドルを投じてきたリップルのM&Aによる長期的な戦略拡大の一環であり、2025年4月には暗号資産に対応するプライムブローカーのヒドゥンロードを12億5,000万ドルで買収している。
リップルはコインテレグラフの取材に対し、記事公開時点までに回答していない。
ステーブルコイン事業への拡大
この買収は、成長するステーブルコイン分野へのリップルの事業拡大を示す最新の動きだ。同社は2024年末にRLUSDを発行し、ブラッド・ガーリングハウスCEOはその機関投資家向けの性格を強調した。
こうした特徴はリテール向け中心の競合と一線を画していたが、7月下旬の報道によるとRLUSDのセルフカストディ型ウォレット(Xamanなど)や開発者向けプラットフォーム(Transakなど)への統合が進み、リテール利用も増えている。
2024年10月中旬には、アップホールド、ビットスタンプ、ビットソー、ムーンペイ、インディペンデント・リザーブ、コインMENA、ブリッシュなどの暗号資産取引所・プラットフォームと提携し、RLUSDの流通を促進すると発表した。
欧州などでの規制対応拡大
2024年7月中旬、リップルは欧州連合(EU)での事業拡大に向けて暗号資産市場規制(MiCA)ライセンスの取得を目指す方針を表明した。同社の広報担当者はコインテレグラフに対し、「欧州市場には大きな機会があると認識しており、MiCAに準拠した企業になる意向だ」と述べた。
また、同社のステーブルコインはドバイ国際金融センター(DIFC)の金融規制当局であるドバイ金融サービス庁の承認も得ている。DIFCは中東、アフリカ、南アジアとつながりを持つ自由経済区であり、2024年末時点で約7,000社が登録している。
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