米リップル社は14日、サウジアラビア王国の中央銀行であるサウジアラビア通貨庁(SAMA)と協力して、同社のクロスボーダー決済に関する技術支援を同国の銀行に対して行うと発表した。

 SAMAとリップル社は、サウジアラビアの銀行が同社のxCurrentを使用できるように、試験的なプログラムを共同開発したという。xCurrentは、クロスボーダー決済を即時に行うことができるソリューションで、送着金をリアルタイムで確認することができる。

 こうした試験的プログラムを一国の中央銀行が立ち上げるのは初めてのことだが、これによりプログラムに参加するサウジアラビアの銀行はクロスボーダー決済にxCurrentを使用することができるようになる。SAMAは、自国の銀行を支援するために、規制緩和策やプログラムマネジメント、トレーニングも行う。

 リップル社のインフラ・イノベーション部門のグローバル責任者であるディリプ・ラオ氏は、「世界中の中央銀行がブロックチェーン技術を受け入れつつある。ブロックチェーン技術がクロスボーダー決済に変革をもたらし、貿易と商取引を行ううえでの企業と消費者双方の障壁を引き下げるということを認識しているからだ」と述べた。

 そして「SAMAは、リップル社の革新的なブロックチェーン・ソリューションを利用して、即時決済ができるようにしたいという自国の銀行の要望に対して必要なものを提供する最初の中央銀行として、そうした世界的な動きの先頭に立っている」と付け加えた。

 リップル社は、100を越える金融機関と提携関係にあり、先週にも中国の決済サービス大手リエンリエン(連連支付)と新たな提携を結んでいる。