インド準備銀行(RBI)は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の試験運用について、フィンテック企業や国有銀行と協議していると、現地メディアのMoneycontrolが9月5日に報じた。匿名の銀行関係者が同誌に語ったところによると、この試験は今年度中にRBIがCBDCを立ち上げるのに先行して行われるかもしれないとのことだ。
RBIが協議しているフィンテック企業の1つとして、米国に本拠を置く金融サービス企業FISの名前が挙がっている。記事によれば、FISのシニアディレクターは「FISはRBIと様々な関わりを持っており[...]、もちろん、私たちの接続エコシステムはRBIに拡張して様々なCBDCオプションを実験できる」と語っている。
FISは、8月25日にCBDCバーチャルラボの開設を発表した。同社は、CBDCに関する会議や円卓会議を主催するなど、CBDCの分野ではすでに積極的に活動している。
また報道によれば、国有銀行のインドステイト銀行、パンジャーブナショナル銀行、ユニオンバンク・インディア、バローダ銀行が試験参加についてRBIと協議中という。政府はこれらの銀行の株式を少なくとも50%所有している。
RBIは以前からCBDCの段階的導入を検討していると表明しており、直近では2022年と2023年にインドのCBDCが3段階で導入されると発言している。