世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエーツを率いるレイ・ダリオ氏が17日、投資家に対してパラダイムシフト転換を意識するように勧め、金(ゴールド)などの資産をポートフォリオに加えることを提案した。仮想通貨の文字は出てこないが、デジタルゴールドとして認識され始めたビットコインなど仮想通貨は新たなパラダイムで投資家が意識すべき資産に含まれてもよいかもしれない。

ダリオ氏は、過去10年続いた中央銀行主導のリフレ的な環境から、持続不可能なほど膨らんだ巨額債務と地政学的な緊張感が溢れる未来へ移行すると予想。過去1世紀の間に起きたパラダイムシフトを参考に、ダリオ氏は、10年ごとにサイクルが入れ替わる現象は続くと考えてる。

その上でダリオ氏は、投資家に対して「次のパラダイムシフトへの移行がどうなるかビジュアル化」するようにアドバイス。国内外で地政学的な緊張感が高まり「ほとんどの中央銀行が法定通貨の価値を引き下げようとしている」時に、「富の蓄積をする上で次にベストな手段は何か」と考えるように提起。安全資産として知られる金(ゴールド)などの資産をポートフォリオに加えることを提案した。

一方、株などの「リスク資産」に関しては、中央銀行によるリフレが継続している時に好ましい投資先と指摘。今後は良いリターンが得られないだろうと述べた。

今年5月に米中貿易戦争が激化して株安が続く中、ビットコインは金と同じような資金の逃避先として注目された

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