米国の連邦検察当局は、FTXの元CEOであるサム・バンクマン-フリード氏(通称"SBF")に対する選挙資金法違反の追及を諦めていない。
8月8日に裁判所に提出された文書によれば、司法省が10月に始まる予定の裁判でSBFに対して7つの罪状を追求する計画だ。司法省は「バハマとの条約義務により」選挙資金法違反に関する8つ目の罪状をSBFの起訴状に追加することができなかったが、検察側は、既存の電信詐欺の罪状の一部として、疑われる違法な選挙資金調達の証拠を考慮する予定だ。
検察側は、「新たな起訴状は、バンクマン-フリード氏が、最初に起訴された詐欺とマネーロンダリングのスキームの一部として、違法な選挙資金調達スキームを行っていたことを明確にする」と述べた。
「被告が顧客資金を使って政治的影響力を行使しようとしたことは、最初の起訴状で告発された電信詐欺スキームの一部だ。また、最初に告発されたマネーロンダリングスキームの一部として、被告は政治的名義人を通じた寄付を通じて詐欺的な収益の源泉を隠蔽した」とも述べている。
バンクマン-フリード氏は2022年12月にバハマで逮捕され、仮想通貨取引所FTXの崩壊に関連する罪状で米国に引き渡された。司法省はFTX元CEOに対して8つの罪状を最初に発表し、2023年2月と3月には別の起訴状でさらに5つを追加した。
違法な選挙献金に関連する罪状は、バハマとの引き渡し協定には含まれていなかったという弁護側の主張に検察側が同意した結果、この罪状は7月に取り下げられた。バンクマン-フリード氏の最初の刑事裁判は7つの罪状で2023年10月に開始され、新たな起訴状による5つの罪状を含む2回目の審理は2024年3月に開始される予定だ。
バンクマン-フリード氏は起訴後、2億5000万ドルの保釈金を支払って保釈された。カリフォルニアの両親の自宅に滞在しており、ネット利用や外出などが制限されている。しかし、ニューヨークタイムズの記者とのやり取りで、アラメダリサーチ元CEOであり、元恋人でもあるキャロライン・エリソン氏のプライベートな日記の詳細を提供した。
検察側は、これは検察側証人となったエリソン氏を脅迫する試みだとして、SBFの保釈を取り消すことを求めている。
8月11日には裁判所がSBFの保釈取り消しに関して司法省側の申し立てを聞く予定だ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン