国税庁、仮想通貨税制で考え方に変更なし 日銀総裁による「ほとんど投機対象」発言も法律上の定義に固執

国税庁は14日、参議院の財政金融委員会で仮想通貨(暗号資産)が税制上で雑所得に分類されるというこれまでの見解に変更はないと述べた。これを受けて質問に立った参議院議員(日本維新の会)の藤巻健史氏は、先週、日銀の黒田総裁が仮想通貨は支払い決済に使われていないという実態を認めたが、国税庁は法律上における定義に固執していると厳しく指摘した。

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黒田総裁の発言にも関わらず、「定義上は支払い手段」という国税庁の意見は変わらなかった。

黒田総裁は9日、「支払い決済にはあまり使われておらず、ほとんど投機の対象になっている」と発言。これを受けて藤巻議員は、支払い手段ではなく値上がり益を目的にした資産と日銀総裁が認めたことになると指摘し、仮想通貨の税制上の取り扱いを変えるべきと主張した。

これに対して、国税庁の担当者は従来の主張を繰り返した。

「いわゆる暗号資産というものが資金決済法上、引き続きこれまでの仮想通貨と同様に対価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値として規定されることになる」

「消費税法上、支払い手段として位置付けらている」

円暴落とハイパーインフレが進み仮想通貨が避難通貨として使われるようになると予想する藤巻議員は、仮想通貨の税制改革に力を入れている。現在、仮想通貨は最大55%の税率がかかる雑所得に分類されているが、藤巻氏はまずは譲渡所得、最終的には源泉分離20%にすべきだと主張している。

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一方、同委員会に出席した麻生太郎財務相も従来の税制に対する見方を変えず、源泉分離にしない理由を次のように述べた。

「株式の分離課税は、所得税の再分配機能を一定程度損なっても家計の株式等への投資を後押しする「貯蓄から投資」という政策的要請を前提としたものである。従って暗号資産をこれと同列に論ずることはなかなか難しいのではないか考えている」

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