イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションであるポリゴン(Polygon)は、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)チェーンのユーザー体験に影響を与えたガス料金の高騰とチェーン再編問題に対処するために、1月17日にハードフォークを実施する予定だ。

ポリゴンは、12月下旬にポリゴン改善提案(Polygon Improvement Proposal:PIP)フォーラムページで数週間にわたって議論が行われた後、1月12日にブログ投稿でハードフォークイベントを公式に発表した。

また、ポリゴンの広報担当者は1月14日、コインテレグラフにハードフォークの追加詳細を提供した。

「ハードフォークはブロック≧38,189,056でコード化されている。中央集権的で単一のアクターがそれを開始することはない。ネットワークバリデータは、指定ブロックの前に自分のノードを更新する必要があり、彼らはすでに実行済だ」

ポリゴン・ガバナンス・チームの15人の投票者のうち87%が、ガス料金の高騰を抑えるためにBaseFeeChangeDenominator関数を8から16に増やすこと、チェーン再編成の問題を解決するためにSprintLength関数を64ブロックから16に減らすことに賛成している。

ポリゴンチームは、オンチェーンアクティビティが急激に増加するとガス基本料金がしばしば「指数関数的に上昇する」ため、分母を8から16に増やすことで「成長曲線を平坦化」し、ガス価格の「激しい変動を滑らかにできる」と考えていると説明した。

 

Recent gas price spikes on the Polygon PoS chain (blue) compared with Polygon’s data-driven expectations post hard fork (red). Source. Polygon.

チェーン再編問題については、スプリント長を短くすることでトランザクションのファイナリティが向上し、1人のブロックプロデューサーが現在の128秒に対して32秒の頻度で連続してブロックを追加できるようになるという。

「この変更は、バリデータが生成するブロックの合計時間や数に影響しないため、全体的な報酬に変化はない」

チェーン再編成は、すべてのノードオペレータが台帳の同じコピーを持つことを確実にするために、ブロックチェーンからブロックを削除し、新しく長いチェーンのためのスペースを確保するときに発生する。

しかし、51%攻撃のリスクが高まるため、再編成はできるだけ効率的に進める必要がある。

また、ポリゴンチームはポリゴンのトークン保有者とデリゲーターは行動を起こす必要がなく、ハードフォーク中にアプリケーションに影響を与えないことを明らかにした。