米商品先物取引委員会(CFTC)は、CFTCに登録された先物取引所において「仮想通貨の現物契約」を取引可能にする新たな枠組みの検討を開始した。
この提案は、トランプ政権のデジタル資産作業部会による18項目の提言を受けた「クリプト・スプリント(crypto sprint)」と呼ばれるCFTCの迅速対応イニシアティブの一環である。
CFTCの委員長代行であるキャロライン・ファム氏は月曜、声明の中で「CFTCは、SECの『プロジェクト・クリプト』と連携し、デジタル資産の即時取引を連邦レベルで実現するために全力を挙げている」と述べた。
「CFTCが今すぐ実行可能な、明確かつシンプルな解決策がある」とファム氏は続けた。
「仮想通貨の現物契約」は、先物取引と類似した上場商品であり、仮想通貨の現物価格に連動しつつ、CFTC登録の指定契約市場(DCM)で取引される。
通常、CFTCはデリバティブ(先物・オプションなど)商品の規制が主な任務であり、商品そのもの(コモディティ)の取引に対しては、詐欺や市場操作といった限定的な場合を除いて直接的な権限を持たない。しかし今回の取り組みは、その枠組みを超えて、規制の明確化を図るものとなる。
CFTC、パブリックコメントを募集
CFTCは今回、米商品取引法(CEA)の第2条(c)(2)(D)項および同委員会規則のパート40の適用について、パブリックコメントを募集している。
第2条(c)(2)(D)項は、レバレッジ、マージン、ファイナンスを伴う個人向け商品取引はCFTC登録の指定契約市場(DCM)で実施されなければならないと定めており、レバレッジ付きの現物契約を規制する法的枠組みとして位置づけられている。
規則パート40は、DCMの登録要件、コンプライアンス、執行に関する規定を含む。
さらにCFTCは、証券法上の影響についても意見を求めており、証券に該当しない資産であっても、投資契約としてSECの枠組みに該当する可能性がある場合の取り扱いについて議論の余地があるとしている。
パブリックコメントの受付は、8月18日に締め切られる予定だ。
トランプ政権の提言がCFTCに求めた18の対応項目
先週発表された仮想通貨政策報告書では、CFTCに対して以下のような対応が求められた:
仮想通貨がコモディティとして認定される条件の明確化
分散型金融(DeFi)市場の参加者との連携における登録要件の整理
CFTCの監督下にある事業者が仮想通貨にどのように関与できるかのガイダンス提示
また、ブロックチェーンベースのデリバティブ商品を規制対象とするための規則改正も検討事項に含まれている。
CFTCに関連する項目は、SECや米財務省など他の金融規制機関との連携が前提とされている。
委員不足のCFTC 議会承認も停滞中
現在のCFTCは、キャロライン・ファム氏とクリスティン・N・ジョンソン氏の2人のみで運営されており、ジョンソン氏も年内に退任予定とされる。
前委員長のロスティン・ベーナム氏は2025年1月20日、トランプ政権発足と同時に辞任。また、サマー・マーシンガー氏とクリスティ・ゴールドスミス・ロメロ氏も5月下旬に相次いで退任している。
一方、トランプ政権が次期委員長に指名したブライアン・クインテンツ氏については、先週ホワイトハウスが議会上院の承認投票を延期したため、就任が宙に浮いたままとなっている。
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