仮想通貨取引所ポロニエックスは最近、同社のウォレットから1億ドル(約147億円)以上のデジタル資産を盗んだとされるハッカーに対して、犯人の特定に成功したとし、盗んだ資産を返還すれば1000万ドル(約14億円)の報奨金を提供する機会を与えるとのメッセージを投稿した。

ブロックチェーンセキュリティ企業ペックシールドがソーシャルメディアで共有したオンチェーンメッセージには、ポロニエックスからハッカーへのメッセージが記載されている。同取引所によれば、既にハッカーの身元は特定されているという。さらに、米国、ロシア、中国の各法執行機関と協力していることも強調されている。

ポロニエックスはまた、盗まれた資金は既にマークを付けており、使用することはできないとも述べている。ハッカーの身元を確認したにもかかわらず、取引所は11月25日までに資金を返還することで1000万ドルのホワイトハット報酬を得る機会をハッカーに与えた。しかし、資金が返還されなければ、警察が行動を起こすと警告している。

一部のコミュニティメンバーは、新たな展開について疑問を呈している。X(旧ツイッター)での投稿で、コミュニティメンバーは、ハッカーが既に特定されているなら、ポロニエックスが3カ国の警察に情報を提供すればよく、15の異なる言語で同じメッセージを送る必要はないと指摘している。

今月初め、ポロニエックスの仮想通貨ウォレットから不審な資金流出が見られ、11月10日には複数のブロックチェーンセキュリティ企業が取引所のウォレットから1億ドル以上が不正流出したと判断した。この攻撃を受けて、ポロニエックスはウォレットのメンテナンスのために停止したが、11月15日には、セキュリティ監査会社の協力を得て取引所のセキュリティを強化した上で出金を再開した

またポロニエックスのオーナーであるジャスティン・サン氏は当時、ハッカーに対して5%のホワイトハット報酬を与えると表明していた

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン