ポルトガル人ソフトウェアエンジニアのジョアン・アルメイダ氏が、ライトニングネットワーク上で、任天堂の人気ゲーム「ポケットモンスター」がプレイできるプラットフォーム「Poketoshi」を製作した。ネクストウェブが19日に報じている。

 ライトニングネットワークとは、ビットコインのスケーラビリティの問題を解決するためのセカンドレイヤーソリューションだ。これはユーザー間でペイメントチャネルを開き、そこでトランザクションの大部分をオフチェーンのままで行って、基礎となるブロックチェーンに対して最終結果だけを記録するためのものである。

 アルメイダ氏の「Poketoshi」はライトニングネットワークと一緒にライブストリーミング動画プラットフォームのTwitchを利用している。これによってユーザーは、既存の「Twitch Plays Pokemon」シリーズのような形で、オンライチャットルームを経由してこのゲームを操作できる。

 ユーザーがゲームコマンドを入力できるよう、Poketoshiにはライトニングネットワーク対応バーチャルコントローラーが実装されており、ユーザーは1コマンドごとに10サトシを課される。1サトシは1億分の1ビットコインに相当する。

 ユーザーがゲームコマンドを入力するための支払いはライトニングネットワーク対応のビットコイン(BTC)支払い処理システムであるOpenNodeを通して行われる。したがって、このゲームは遊び心のある方法により、オフチェーンでの即時かつ多量のBTC支払いを容易にするためのライトニングプロトコルという野心的な取り組みをテストできるのである。

 ネクストウェブが言及するとおり、すでに数名のPoketoshiユーザーは、ビットコインキャッシュ(BCH)支持派とライトニングネットワーク(LN)支持派の間で繰り広げられる悪名高い小競り合いについてさりげなく皮肉を述べている。BCH支持派は、ビットコインのスケーラビリティ問題に対する解決策として、LNセカンドレイヤーソリューションよりもBCHハードフォークの方が優れていると主張している。

  Poketoshiユーザーによるツイートの中によると、この新たなLN対応ゲームプラットフォーム内において、「BCash」と名付けられたゲーム内のライバルキャラクターが悲惨な目に遭っている。

 2010年にピザ2枚に対して1万BTCを支払うことで世界で初めて記録されたBTCと実物の商品との取引を完了させたラズロ・ハニエツ氏が今年2月、その歴史的な購入をライトニングネットワークを使ってまたもや実行した。ただし、ハニエツ氏はLNを用いた支払いを行うため、ロンドンの友人に頼んでピザの配達を地元のピザ店へと「下請け」に出さねばならなかった点に注意が必要だ。「ピザとビットコインとのアトミックスワップを実現するソフトウェア」 がいまだ利用できないことを考慮してのことだ。

 3月、LN初となるメインネット用プロダクト実装がリリースされたため、LNは主流化へ向けて大きく前進した。これに続き、さらにいくつかのユーザー指向ツールもリリースされた

 ライトニングネットワーク用に構築された初のモバイルウォレットは4月4日にローンチしている。