フィリピン中央銀行(BSP)は、ホールセール中央銀行デジタル通貨(wCBDC)の研究プロジェクト「Project Agila」の最新情報を発表した。地元メディアが報じた。
3月6日に行われた記者会見で、BSPの決済・通貨管理部門副総裁であるマメル・タンゴナン氏は、Project Agilaは今年末までに完了する見込みであると述べた。タンゴナン氏は、このパイロットプロジェクトを「学習演習」と呼び、以下のように語った。
「我々は、証券やその他の投資商品へのアクセスが民主化されるフィリピンを想定している。つまり、より小さな発行規模と非常に低い手数料で購入できるようになるため、誰でも証券を所有することが夢ではなくなる。」
このパイロットプロジェクトには、BDOユニバンク、中国銀行、フィリピン土地銀行、リサール商業銀行、フィリピンユニオン銀行、マヤフィリピンの6つの国内銀行がBSPと協力して参加している。プロジェクトでは、wCBDCを使用して銀行間で資金を移転している。

タンゴナン氏は、「証券決済のような付加価値の高いサービスにこのホールセールCBDCを使用できるかどうかについても検討したい」と述べた。
BSPのエリ・レモロナ総裁は2月、銀行の高額預金引き出しや中間業者排除などの問題への懸念から、BSPはwCBDCのみを検討していると述べていた。レモロナ総裁は、CBDCはブロックチェーン上で動作しないとも述べた。
フィリピンは2020年にCBDC発行への関心を表明した。BSP金融委員会は、wCBDCの初期評価がポジティブであることを指摘し、2022年からパイロットテストを開始することを計画していた。当時は「Project CBDCPh」と呼ばれていた。パイロットプロジェクトの立ち上げは2022年4月に発表された。