ソフトバンクは5日、2019年第2四半期の決算説明会の中で、ヤフーとともに展開しているPayPay(ペイペイ)で金融サービスを展開する考えを打ち出した。

ソフトバンクの宮内謙社長は、PayPayのユーザー数が急増していることに触れ、PayPayの次のフェーズについて、「金融を中心としたスーパーアプリ化」を進める考えを示した。

「一番大きく伸ばせる部分は金融サービスだ。(ユーザー数が)3000万、4000万になったら、フィンテックの領域に入っていきたい」

スーパーアプリとは、1つのアプリ上で様々なサービスを完結させることができることだ。宮内氏は、PayPayモールなど小売サービスを端緒に、中国のアリペイをモデルに金融領域でもサービスを拡大させる考えを示した。ちなみに現在のユーザー数は1900万人にのぼる。

出典:ソフトバンク 19年第2四半期決算説明資料

決算説明会で示したスライドの中では、家計管理や投資、ゴールド(金)といった金融サービスが並んでいるが、今回の宮内氏の説明では仮想通貨には言及されなかった。

ただ、ヤフー運営のZホールディングス傘下では仮想通貨取引所TaoTao(タオタオ)があり、PayPayのスーパーアプリ化の中で仮想通貨投資も選択肢に入る可能性はあるだろう。

LINE、スーパーアプリ化で先行

実際、LINEの方がスーパーアプリ化で先行している。

LINEは、LINEのアプリ上から証券や仮想通貨への投資が可能となっている。LINE Payと連携し、入金や出金もできる形となっている。

ブロックチェーン分析企業のNot For Saleは、LINEのブロックチェーン戦略の狙いは「スーパーアプリ化」だと指摘している。金融領域でのサービスをLINEアプリ上でグローバル展開するのが狙いだと分析している。

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