仮想通貨(暗号資産)のピアツーピア(P2P)取引所パックスフルは、5月4日に「#BuiltWithBitcoin」と呼ぶチャリティ・イニシアティブをアフリカに拡大するため、「アフリカファンド」の立ち上げを発表した

このファンドは、アフリカでの新型コロナウィルス(COVID-19)との戦いのため、ビットコイン(BTC)による寄付を受け付ける。ファンドは1万5000ドルで開始し、追加の寄付をBTCで募る。

アフリカでは新型コロナウィルスの感染が「指数関数的に」拡大している。ビットコインによる募金活動で、個人用保護具(PPE)などの購入や、リスクの高い個人に対する食品や手洗ステーションの提供を目指す。

パックスフルのレイ・ユーセフCEOは、今回のイニシアティブについて、コインテレグラフに次のように語っている。

「この1ヶ月間は誰にとっても困難なものだった。そして、多くのパックスフルのユーザーがいるアフリカでも、このパンデミックに見舞われている。保健システムは資金不足と人員不足であり、多くの人々が不利な状況で生活している。これに対応するため、コミュニティを直接支援し、危機の際に仮想通貨がポジティブな力を発揮することを示すため、アフリカ向けの#BuiltWithBitcoin COVID-19ファンドを立ち上げた」

コロナ禍における仮想通貨の役割

仮想通貨は、新型コロナウィルスの危機において、資金調達やチャリティ活動における障害を乗り越える可能性があると、ユーセフ氏は指摘している。

「仮想通貨のピアツーピアの性質は、従来の金融の領域を超える。いくつかのケースでは、資金を送金する際により速く、より便利でもある。パンデミックでは、時間は私たちの見方ではなく、私たちの移動は制限されてしまっている。金融を維持するため、そして資金の移動や新しい収入の道筋を得るためにも、より信頼できるオルタナティブなリソースが必要だ」

今後の展望について、ユーセフ氏は、「私たちがアフリカで行ったように適切なパートナーを見つけることができれば」、ほかの地域でも同様の取り組みを拡大する用意があると、コインテレグラフに語った。

コロナウィルスのパンデミックで、仮想通貨による寄付活動は活発に行われている。

イタリアの赤十字社では仮想通貨による募金活動で目標額(1万ドル)以上の3倍の金額を集め、イタリアでのコロナウィルス対策の医療施設の構築などに役立てることができた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン