パキスタンの連邦捜査局(FIA)は、同国で発生した数百万ドルの仮想通貨詐欺の調査の一環として、仮想通貨取引所バイナンスを捜査した。

投資家を欺いてバイナンスのウォレットから未知のサードパーティウォレットに送金されたという報告が多数寄せられたことで、パキスタン当局が捜査を開始した。現地の報道によると、FIAのサイバー犯罪捜査当局は、バイナンス・パキスタンのゼネラルマネージャーであるハムザ・カン氏に出頭要請を出し、 「詐欺的なオンライン投資モバイルアプリケーション」への関連を特定するよう命じた。

バイナンスへ送付された通達によると、バイナンスのヘッドクオーターとバイナンスUSにも同様の質問状を送付したという。パキスタンでの投資詐欺は、非現実的なリターンを口実に、ユーザーにバイナンスに登録し、第三者のウォレットに資金を移すよう求めることで行われた。FIAの通達には次のように書かれている。

「これらのスキームは、新しいクライアントを犠牲にして古いクライアントに利益をもたらし、最終的には数十億ルピーに相当する実質的な資本基盤を作った時点で姿を消している」

また、市民から寄せられた苦情をもとにパキスタン当局は、少なくとも11の詐欺的なモバイルアプリを特定した。FIAが特定したアプリは、MCX、HFC、HTFOX、FXCOPY、OKIMINI、BB001、AVG86C、BX66、UG、TASKTOK、91fp。

送金するためにバイナンスにサインアップするようユーザーを誘導することに加え、詐欺側は「エキスパートによる買いシグナル」を提供するために、テレグラムグループに被害ユーザーを追加。各アプリケーションは、平均して約5,000人の顧客を受け入れていた。通達では次のように書かれている。

「少なくとも26の疑わしいブロックチェーンウォレットアドレス(Binanceウォレットアドレス)が特定され、不正な金額が送金された可能性がある。バイナンス・ホールディングスに対して、これらのブロックチェーンウォレットアカウントの詳細を伝えるだけでなく、それらをブロックするよう通達した」

バイナンスはさらに、公式のサポート文書や、詐欺側がバイナンスのサービスに接続するために使用したAPIの詳細も要求された。FIAは、疑わしいアプリにリンクされていた銀行口座を積極的にブロックしている一方、通知ではバイナンスに警告が発せられた。

「コンプライアンス違反の場合、FIAサイバー犯罪当局はパキスタン国立銀行を通じてバイナンスに金銭的なペナルティを勧告することが正当化される」