タイに拠点を置くOmiseは、アジア全体でのフィンテックイノベーションとブロックチェーンの普及に向けて、韓国のクレジットカード大手の新韓カードとの覚書に署名した。新韓カードは新韓金融グループの子会社だ。5日にプレスリリースを発表した

Omiseはタイ、シンガポール、インドネシア、日本に拠点を持つ決済プラットフォームを手掛ける。同社のOmiseGOは、イーサリアム向けの分散型スケーリング・ソリューション・ネットワークだ。OmiseGOは昨年8月、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)で2500万ドルを調達し、その資金をプラットフォーム開発に充てた。

コインテレグラフの寄稿者ジョセフ・ヨンは5日に、同覚書についてツイートをした、新韓グループが韓国第2位の銀行であることを指摘し、この動きをOmiseGOと「イーサリアムコミュニティ全体」にとって「大きな」ニュースと評した。

(新韓は韓国第2位の銀行だ。韓国最大の銀行が仮想通貨取引所への銀行サービス提供を拒否したとき、新韓が彼らへの銀行サービスを提供した。今回のことはOmiseGO、そしてイーサリアムコミュニティ全体にとって大きな出来事だと思う)

 プレスリリースによると、両社はOmiseの東南アジアと日本への進出を加速させる。また、OmiseGOの一般にアクセス可能なサーバーとSDKウォレットの利用によって「新韓カードの決済サービスやモバイルアプリといったデジタルサービスを強化する」。

 Omiseの創業者兼CEOの長谷川潤氏はプレスリリースの中で次の通りに述べた。

「OmiseとOmiseaGOは分散型経済を促進するプラットフォームを生み出すという最終目標を持って、デジタルバリューのグローバルな動きに変革をもたらすために努力している。プラズマアーキテクチャを利用したOMGプラットフォームは、イーサリアムと連携したパブリックネットワークとして構成されている。(OmiseGOの)SDKウォレットの第1段階は最近リリースされ、誰でも使うことができる。ビジネスの一環としてオンラインのアセット取引を必要とする人のために、OMGネットワークへのシームレスな接続を容易にしたい」

 東南アジアではブロックチェーン推進の動きが相次いでいる。1つは企業のイノベーションを促進するためのシンガポール政府によるコンペ「ブロックチェーン・チャレンジ」、そしてもう1つは日本のLINEによる韓国でのブロックチェーン子会社の発足だ。